がっちり若旦那

公開日：1958年1月9日（木）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・60分　大船作品
光畑碩郎のオリジナル・シナリオを渋谷実門下の菱田義雄が昇進第一回作品として監督した明朗篇。撮影は長岡博之が担当している。主演は伊藤雄之助、渡辺文雄、中川弘子、清川新吾、桑野みゆき、朝丘雪路。

STORY
轟パンの若社長・信一郎（渡辺文雄）は、不況を乗りきる為に工場の隣接地を買収し、ジャム工場建設を図っていた。それにはやもめの父の十兵衛（伊藤雄之助）を、隣接地の地主花子というばあさん（高橋とよ）と政略結婚させるのが一番いい。十兵衛はキャバレーの歌手フルフル（朝丘雪路）に惚れていた。見合いの当日、花子にぞっとした十兵衛は家出してしまう。困った信一郎は弟の英二（清川新吾）を連れ、そのキャバレーへ女に会いに行き、手を切らせようとする。その日、フルフルは休み、店の衣裳係の葉子（中川弘子）が代演していた。信一郎らの詰問に、葉子は戸惑うばかりだった。フルフルのアパートでは十兵衛が二十万円をねだられていた。亡き妻にそっくりなので、十兵衛は全く弱いのだ。十兵衛の病気ということで見合いはごまかしたが、花子の一人娘明美（加賀ちか子）が病気見舞いにやってきて、大騒ぎになった。英二は明美と仲良くなり、十兵衛を家に連れかえるのを条件に、ガッチリの信一郎から金をせびっては、二人で遊び廻った。十兵衛は二十万円の調達に一時、帰宅したが、信一郎にニベもなく断られ、また家出した。しょんぼり帰ってきた十兵衛に、フルフルは金がなければ、もう用がないと、弟と称する男と寝室に消えてしまった。十兵衛は、娘ヒサ子（桑野みゆき）と恋仲の轟パン社員松下（田村保）の下宿へ転りこみ、長期抗戦の気構えである。信一郎は父を探しにフルフルのアパートへ行き、そこで葉子が人違いであったことを知る。信一郎を好きになった葉子は彼を家へ招き、家庭の楽しさを悟らせた。花子がヤキモキして、上京してきた。信一郎は工場をあきらめ、花子にすべてを話して、縁談を断ろうとする。その時工場大事と、十兵衛が見合いに応じに帰ってきた。父子は和解し合った…。