螢火

公開日：1958年3月18日（火）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・124分　歌舞伎座作品
織田作之助作の「蛍」の映画化。脚色は八住利雄、監督は五所平之助、撮影は宮島義勇が担当。主演は淡島千景、伴淳三郎、森美樹、若尾文子。幕末時代を背景に、一庶民と志士の交流を描いた佳作である。

STORY
伏見の船宿「寺田屋」の女将登勢（淡島千景）は、甲斐性なしの夫伊助（伴淳三郎）を助けて店を切りまわすしっかり者だった。伊助の継母お定（三好栄子）は、実の娘お椙（水原真知子）がならず者の五十吉（須賀不二男）と通じ、お光をのこして駆け落ちしてしまったので、仕方なく伊助に寺田屋をゆずった関係から、嫁の登勢につらく当たった。彼女はその中で夫をたすけ、貧しい子のお良（若尾文子）を引きとり、お光には実の母のように対して、お定の死後は一層店の中心となって働いた。伊助は京都にお貝（福田公子）という妾を囲い、足繁く通っている。時代は次第に勤王佐幕の、ぶっそうな世の中と変わって行った。その頃台所からヌッと入ってきた坂本竜馬（森美樹）という男、その風格にすっかりひかれてしまった登勢であった。だが、捕手に追われ、お良の機転で逃れた竜馬は、お良に対して自分の思慕を打ちあけ、それを知った登勢は、再び殺到する捕手を身を以って守りながら、竜馬とお良を逃すのだった。それから数日後、お貝との間を清算してもどった伊助と登勢は、「坂本竜馬暗殺さる」という瓦版を読んだ。