若い広場

公開日：1958年4月8日（火）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・108分　大船作品
「全国学園新聞」連載の蔦原万亀雄作『蒼いレール』を、高橋治と中島和彦が共同脚色した、受験生を扱ったメロドラマ。堀内真直が監督、厚田雄春が撮影を担当。主演は片桐真二、山本豊三、清川晶子、三上真一郎青春スター。

STORY
葵高校三年Ａ組には、東大を目指す四人のグループがあった。片桐敏夫（片桐真二）、吉川真二（山本豊三）、山内道也（佐山彰二）、それに速水梨枝（有沢正子）がそのメンバーである。学校で大学受験のための実力テストがあった。全学年を通じて山内がトップ、続いて片桐梨枝の順で、吉川はかなり落ちていた。片桐と梨枝は落胆する吉川をなぐさめたが、吉川にはそれがなお苦しかった。彼は梨枝の才気ばしった美しさにひかれていたので、片桐と梨枝の親しい様子に屈辱を感じたのだ。受験生達の緊張をほぐすために、担任の川原先生（片山明彦）の発案で有志の関西旅行が行われた。貧しい下宿生活の山内と、勉強の遅れをとりもどす吉川は参加しなかった。しかし、一緒に出発した敏夫と梨枝を思うと、吉川は勉強にも身が入らなかった。片桐にはこの関西旅行が忘れられぬものとなった。奈良で梨枝と将来を誓いあっていたとき、その歓びの絶頂にあって父（新島勉）の死が知らされたからである。父は店の借財を苦にして自殺したのだった。母もなく、また幼い弟妹もいるので、片桐の姉冴子（高千穂ひづる）は恋人との結婚をあきらめて店をやっていこうとした。姉のことや家のことを考えた片桐は、進学を諦め、家業の炭屋に専念しようと決意した。吉川は、報われなかった梨枝への愛情と、勉強を強いる両親の為に、成績が落ち、反抗的になっていった。不良女学生と仲よくなり、金に困った彼は、自分の家へ強盗に入って警察に留置される。山内も苦しい毎日を送っていた。無理がたたって胸をやられていたのだ。いよいよ試験の日が来る。