INTRODUCTION
上映時間・93分　歌舞伎座作品
中山正男の原作による、北海道の自然を背景としたラブストーリー。脚色は水上伸男、監督は久方振りに志村敏夫、撮影は植松永吉。主演は三橋達也に杉田弘子。その他に菅井一郎、上田吉二郎、若水ヤエ子、小杉義男など。

STORY
“疾風の仙”と異名をとった馬喰の仙太郎（三橋達也）は、学令期を迎えた一子正太（島津秀明）のために、長年の放浪生活に終止符をうとうと思った。友人の馬車屋、辰吉夫婦（菅井一郎、武知杜代子）の住む佐呂間部落へ向かった。途中の渡し場で、暴漢に襲われていた女、お新（杉田弘子）を救った。佐呂間のめし屋「あさひ軒」でめしを食い、さて勘定となったとき、彼は自分が無一物であることに気づいた。先刻お新に財布ぐるみくれてやったのだ。い合わせたお新が金を返そうとすると、つっかえされた。“一旦やったのを、男が……”彼はそんな男である。店の主人、薄荷の金六（上田吉二郎）が喰い逃げとあざけったので、彼は暴れだしたが、辰吉が駈けつけおさまった。仙太郎は乗合馬車の馭者となり、お新は「あさひ軒」に勤めることになった。お新は彼の粗野だが素朴な天衣無縫なところに惹かれた。正太の入学式の日、仙太郎は先生が子供のために欲しがったオルガンを買う約束を子供たちの前でしてしまった。仙太郎は草競馬に出て、その賞金をオルガンの費用にあてようとするが、肝心の馬が金六に取られていた。奴のインチキ賭博に負けたかたなのだった。お新は見かねて彼女にホの字の金六を甘言でつりひそかに彼の馬を取り房してやった。競馬で、仙太郎は金六側の妨害もものかはみごとに一等になった。オルガンが着くのを部落総出で歓迎した。お新はひとり嬉し涙にくれた。

- キャスト -
三橋達也
杉田弘子
菅井一郎
上田吉二郎
- スタッフ -
原作：中山正男
監督：志村敏夫
脚色：水上伸郎
撮影：植松永吉
音楽：江口夜詩

配給：松竹
Ⓒ1958松竹株式会社

ジャンル：現代劇