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【作品データベース】呪いの笛のろいのふえ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・84分 歌舞伎座作品
安田重夫と本山大生の共同脚本を、酒井辰雄が監督、倉持友一が撮影した怪奇映画。新派の喜多村緑郎が映画初出演するほか、大矢市次郎・伊志井寛が賛助出演、ほかに名和宏・高峰三枝子・山鳩くるみなど。

STORY
鬼のような高利貸・按摩房市(喜多村緑郎)は貸した金を強引にとりたてようとし、旗本山上十兵衛(伊志井寛)に斬り殺された。その怨念のタタリか、十兵衛は愛妻茂乃(市川春代)を斬り、自分は井戸へ落ちて死んだ。それから十五年。踊りの師匠・お志奈(高峰三枝子)は妹のお文(山鳩くるみ)が慕っている両替商山形屋の番頭・長五郎(名和宏)が、自分たち姉妹と同様両親を不慮の死で失い、弟と二人きりで暮していることを聞き、驚いた。余りにも似た身の上である。そのとき、笛の音が聞こえ、彼女らは父の斬り殺した盲人の断末魔の有様を想い浮べ、不安と恐怖におののいた。お志奈は大国屋惣右衛門(永田光男)と舟遊びの折、彼に襲われたが、船頭長吉(沢村訥升)に救われた。長五郎は若主人源之助(北原隆)の命でお文を彼に取り待とうとする。しかしお文から思慕を打ち明けられ彼女を抱いた。そのとき、呪いの笛が。怯えてとりすがったお文を、長五郎は思わず突き放す。お文は土蔵の二階からそのまま落ち、血だらけで死んだ。長吉は大国屋の手先に傷つけられたところを、お志奈に救われた。彼はお志奈の行水を見、激情にかられる。彼女がこばんだとき、例の笛の音がまた。お志奈は逆に彼にすがりついた。二人は笛の音で結ばれたのだ。長吉がお文を殺した長五郎の弟と知っても、お志奈は離さなかった。弟子のお京(伊吹友木子)が強引に長吉と関係を結んだ。お志奈は彼女を殺す。長五郎兄弟は房市の子供であり、お志奈姉妹は十兵衛の子供であることを、お互いが知り因縁のおそろしさにふるえた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
喜多村緑郎
名和宏
沢村訥升
高峰三枝子
- スタッフ -
監督:酒井辰雄
脚本:安田重夫
脚本:本山大生
撮影:倉持友一
音楽:鈴木静一

配給:松竹
Ⓒ1958松竹株式会社

ジャンル:時代劇