映画・アニメの世界

【作品データベース】野を駈ける少女のをかけるしょうじょ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・72分 大船作品
田宮虎彦の同名小説を楠田芳子が脚色した信州が舞台の青春物語。昇進第一回の井上和男が監督し、森田俊保が撮影した。山本豊三、桑野みゆきをはじめ、望月優子・瞳麗子・北原隆・村瀬幸子などが出演。そのほか桜むつ子・左卜全などが助演している。信州霧ヶ峰高原でロケーション撮影を行い、新人桑野みゆきの野性的な魅力をひき出している。

STORY
信州の富士見高原。父を戦争で失くした野枝(桑野みゆき)は、母のかず(望月優子)との二人暮らし。彼女の育った花生部落は封建色が強く、分家は本家に頭があがらない。その本家へ東京から勇(山本豊三)という学生が避暑にやって来た。勇は駅で道を尋ねたのがきっかけで野枝と知りあった。本家はお婆のすえ(村瀬幸子)と手伝いの光子(後藤泰子)の二人。光子が実家に帰って野枝が手伝いに来た。すえは東京の孫達爾(北原隆)や綾子(青江奈美)を呼んだ。勇は作爺(左ト全)が世話してくれる乗馬や、野枝がいるので毎日が楽しかった。村では野枝と隣の源一(三上真一郎)が似合いと思われていて、以前は将来二人が一緒になるものと決めていた。しかし、今では野枝は秘かに勇が好きになっていた。勇も同じだった。達爾と綾子が着いた日から盆踊りが始まった。野枝は源一と出かけなければならなかった。勇や達爾が踊り場に来たとき、余興が始まりアナウンスが勇に唄を強制した。他所者に対する意地悪だった。勇の困惑を、野枝が助けてやり舞台に上って歌を歌った。このことがすえの耳に入り、分家の者が本家のお客に気易く口をきくのをとがめた。かつて、達爾が源一の姉の秋子(瞳麗子)と間違いを起こしたこともあるので、すえは勇のことを心配した。すえはかずを呼んで野枝が勇に会うことを禁じた。野枝はなんとかして勇に会おうとしたが駄目だった。何日か過ぎて、野枝は勇が帰京するということを耳にした。悲しい気持で野枝は馬を走らせた。そして、勇に会った。勇は盆踊りの礼をいい、いつまでも野枝のことを忘れないといった。いつしか二人の目には涙が一杯になっていた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
山本豊三
桑野みゆき
望月優子
三上真一郎
- スタッフ -
原作:田宮虎彦
監督:井上和男
脚色:楠田芳子
撮影:森田俊保
音楽:牧野由多可

配給:松竹
Ⓒ1958松竹株式会社

ジャンル:現代劇