落花剣光録

公開日：1958年11月18日（火）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・93分　歌舞伎座作品
三上於菟吉の原作を中田竜雄と旗一兵が脚色、萩原遼が監督、服部幹夫が撮影した時代劇。松本錦四郎をはじめ、滝沢修・福田公子・川口のぶ・近衛十四郎などが出演。

STORY
徳川末期。勘定奉行・堀田備前守（滝沢修）は、自分の権勢欲のために娘お蘭（福田公子）を将軍家に差しだした。その上、能狂言師指方春之丞秘蔵（松本錦四郎）の紅白二つの名鼓を所望した。それを断られるや、お蘭の肉体に魅せられている情人手塚主水（内田良平）に命じて、春之丞を惨殺させ、その紅鼓を奪った。白鼓を抱いて河中に転落した春之丞は、貧乏寺の住職黙念（益田喜頓）に救われたが、仇の名を叫びながら絶命した。野望に燃える備前守は、関東一円を襲った大飢饉に便乗して米商人と結託、米の買占めを図った。一方、主水を中心に江戸市中を横行する旗本くずれ血祭組は、美貌の町娘お美津（山口のぶ）に乱暴しようとした。その時忽然と現れた月の輪剣士のために失敗した。お美津に惚れた主水は、将軍の側室になったお蘭に手切金を要求する一方、備前守の米買い占めに反対する米商人越後屋を脅迫して、愛娘お美津との祝言を迫った。その結婚披露宴の席－－主水は花嫁の顔をみて愕然とした。花嫁衣裳をぬいで立った月の輪剣士。実は春之丞の弟竜之丞（松本錦四郎）だった。兄の仇と斬りつける竜之丞から一度は逃れた主水も、備前守の命を受けた刺客に斬られた。主水の妹雪路（佐乃美子）は、竜之丞が兄を斬ったと思い、竜之丞に斬りかかった。そこに来合せた老中松平美濃守（高田稔）の秘命を帯びた剣客南条伝八郎（近衛十四郎）から事情を聞いた雪路は、竜之丞と共に備前守を倒すことを誓った。