映画・アニメの世界

【作品データベース】お早よう おはよう

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・94分
近所付き合いの小さな波風にふり回される大人たちと、テレビを買ってとねだる子供たち。東京郊外の新興住宅地を舞台に、戦後の庶民生活を小津流に活写した作品で、軽さのある演出が際立っている。幼い兄弟のオナラのギャグが実に微笑ましい。

STORY
東京の郊外、小住宅の並んでいる一角。組長の原田家は、辰造(田中春男)、きく江(杉村春子)の夫婦に中学一年の子・幸造、それにお婆ちゃんのみつ江(三好栄子)の四人暮らし。原田家の左隣がガス会社に勤務の大久保善之助(竹田浩一)の家。妻のしげ(高橋とよ)、中学一年の善一(藤木満寿夫)の三人。大久保家の向かい林啓太郎(笠智衆)の家は妻の民子(三宅邦子)と、これも中学一年の実(設楽幸嗣)、次男の勇(島津雅彦)、それに民子の妹有田節子(久我美子)の五人暮らし。林家の左隣・老サラリーマンの富沢汎(東野英治郎)は妻とよ子(長岡輝子)と二人暮し。右隣は界隈で唯一軒テレビをもっている丸山家で、明(大泉滉)・みどり(泉京子)の若い夫婦は万事派手好みで近所のひんしゅくを買っている。そして、この小住宅地から少し離れた所に、子供たちが英語を習いに行っている福井平一郎(佐田啓二)が、その姉で自動車のセールスをしている加代子(沢村貞子)と住んでいる。林家の民子と加代子は女学校時代の同窓で、自然、平一郎と節子も好意を感じ合っている。このごろ、ここの子どもたちの間では、オデコを指で押すとオナラをするという妙な遊びがはやっているが、大人たちの間も、向こう三軒両隣、ざっとこんな調子で、日頃ちいさな紛争はあるが和やかにやっている。しかしここに奥さん連中が頭を痛める問題が起った。相撲が始まると子供たちが近所のひんしゅくの的・丸山家のテレビにかじりついて勉強をしないのである。民子が子どもの実と勇を叱ると、子供たちは、そんならテレビを買ってくれと云う。啓太郎が、子供の癖に余計なことを言うな、と怒鳴ると子供たちは黙るどころか反撃に出て正面衝突。ここに子供たちの沈黙戦術が始まった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
設楽幸嗣
久我美子
佐田啓二
島津雅彦
笠智衆
- スタッフ -
監督:小津安二郎
脚本:野田高梧
脚本:小津安二郎
撮影:厚田雄春
音楽:黛敏郎

配給:松竹
©1959松竹株式会社

ジャンル:現代劇