INTRODUCTION
上映時間・99分　大船作品
椎名利夫の脚本を中村登が監督した『集金旅行』の姉妹篇。撮影は厚田雄春が担当。高橋貞二、有馬稲子主演でモダン弥次喜多式のスピード喜劇。色彩版による観光旅行的な興味で観客を喜ばせた。

STORY
マスコミの女王といわれる才女・松平千賀子（有馬稲子）が反逆を起こした。突如東京を捨てて旅に出たのである。愛用の車を買ってさっそうとスタートしたのだが、名古屋付近で紳士風の男にまとわりつかれて困った。通りかかったプロ写真家の旗良平（高橋貞二）が千賀子を救った。意気投合した二人が食事を終えて外に出ると、愛用の車が影も形もなくなっていた。無一文になった二人は知り合いの葬儀屋から融通してもらったものの、裏通りのバーに入ったのが運のつき、再び無一文になった。二人は琵琶湖へ旅を続けた。湖では千賀子が競艇で大穴を当てたがアベックにだまし取られてしまい、保育園のアルバイトで日当を稼ぐという惨めさであった。千賀子の失踪でマスコミ界は大騒ぎしていた。良平は千賀子に帰京をすすめたが千賀子の旅は続いた。貨物列車で大阪に着いた二人は駅前で網を張っていた新聞記者連につかまった。このピンチを救ったのは東京から良平を追いかけて来た週刊ニュース社の小谷（桂小金治）だった。小谷は良平に千賀子の行状をルポせよという内山編集長（伊藤雄之助）の命令を伝えると、今までの二人の旅行をうつしたフィルムを奪って帰京してしまった。二人は別府航路に乗ったが、乗り込んで来た刑事の姿にギョッとなった。刑事はやくざを追って来たのだが、挙動不審の二人も逮捕された。二人は間もなく釈放され、意気投合ぶりも佳境に入って来た。しかし事件は急転直下、千賀子が週刊ニュースのトップに「松平千賀子行状記」が写真入りで出ているのを発見したため、二人の仲は険悪化した。

- キャスト -
高橋貞二
有馬稲子
伊藤雄之助
桂小金治
沢村貞子
- スタッフ -
監督：中村登
脚本：椎名利夫
撮影：厚田雄春
音楽：武満徹

配給：松竹
Ⓒ1959松竹株式会社

ジャンル：現代劇