映画・アニメの世界

【作品データベース】白い牙 しろいきば

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・107分
五所平之助監督が『わが愛』に続いて井上靖原作の映画化に挑戦。とある神戸の洋館を舞台に、互いに憎み合うブルジョワ家族が次第に崩壊していくさまを娘の目を通して描く。長年不和だった妻を離縁した後、ただちに愛人を家に引き入れて平然と振る舞うエゴイストの父親を佐分利信が憎々しく演じるのをはじめ、牧紀子、桂木洋子、南原宏治らが、虚飾と裏切りに満ちた愛憎劇を冷ややかに展開していく。

STORY
神戸港をはるかに見下す六甲山の中腹--古い洋館造りの田代家は冷い雰囲気に包まれていた。この家の主・東作(佐分利信)は永年の不和から妻(轟夕起子)と離婚していた。日常の切りもりは長女の沙夷子(牧紀子)に一切を託されていた。彼女には峰夫(三上真一郎)という弟がいた。今は家を出てしまった母は、東作が事業家でたえず不在であるところから、男関係の体がたえない女だった。そのため、東作は蜂夫が情夫の落し種と疑っていた。そんな父に、峰夫は何かと反抗的だった。東作が外にかくまっていた愛人・阿佐子(桂木洋子)を家にひき入れた。蜂夫は東作と殆ど口をきくこともなくなっていた。沙夷子には角田康之(南原宏治)という意中の男があった。散歩の折、沙夷子は自分の気持をはじめて康之に打ちあげた。二人の仲は急速に近づいた。康之が仕事で出張するのを利用し白浜で落ち合う約束になった。しかし、康之は療養中の妻を見舞いに回って約束を違えてしまった。その夜、康之は詫びに沙夷子の許を訪れた。勝気な沙夷子は意地をはってすげなく扱った。酒に酔っていた康之は阿佐子の肩にもたれかかるように送られていった。その光景を目撃した沙夷子は、不安の念にかられ翌日康之の下宿を訪れた。康之は不在で、一通の置手紙を見つけた。それは阿佐子からのもので、昨夜の二人の関係を明らかに物語っていた。沙夷子は絶望的な衝撃をうけた。その夜、神戸の港町を彷徨し、康之への愛情をたち切ろうとして、行きずりの外国人に体を許してしまった。…

キャスト・スタッフ

- キャスト -
牧紀子
佐分利信
桂木洋子
南原宏治
三上真一郎
有沢正子
- スタッフ -
原作:井上靖
監督:五所平之助
脚色:長谷部慶次
脚色:堀江英夫
撮影:竹野治夫
音楽:芥川也寸志

配給:松竹
©1960松竹株式会社

ジャンル:現代劇