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【作品データベース】乾いた湖 かわいたみずうみ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・87分
60年安保闘争時代の最中、英雄気取りでテロリストを夢見る大学自治会の学生。級友の別荘で刹那的な遊戯にふけっていたが、ある出来事をきっかけに政界の黒幕を追い詰めようとする…。榛葉英治の新聞連載小説を、寺山修司が脚色。ヒトラーを崇拝し、テロリズムに傾斜する青年の軌跡を描いた作品。

STORY
大学自治会の中央委員下条卓也(三上真一郎)は、女子学生と肉体関係があった。卓也の友達には木原財閥の長男道彦(山下洵一郎)はじめ、同級の今井、品田、それに女子学生桂葉子(岩下志麻)、枝村美代子(九條今日子)、北村節子(炎加世子)、篠山貴子(国景子)らがいた。海岸にある道彦の別荘に集まった彼らは、若さを満喫していた。そんな時、自宅から葉子の父孝作が自殺したと知らせて来た。新聞には孝作が関係している農産公社の汚職が政界に波及し、代議士の大瀬戸(伊藤雄之助)に詰腹を切らされたと報じた。卓也はマダムの文枝(高千穂ひづる)に紹介され、バー・マドンナで大瀬戸に会った。卓也は文枝とも関係していた。卓也一流の政治理論で大瀬戸を驚かせ、美代子を世話しようといった。大瀬戸は文枝のパトロンだ。貧乏な級友水島(小坂一也)は卓也を通して道彦に就職を頼んだ。が、道彦は冷たかった。卓也は葉子に惹かれていた。父の死後葉子は大瀬戸の世話になっていた。姉しづえ(鳳八千代)は許婚者藤森(高森真二)から破談された。それを聞いた卓也は外国人のボクサー鄭方現(水島弘)に藤森を殴らせた。政党に関係していることと、不品行を理由に卓也は自治会を除名された。彼はせせら笑い、節子の体を求めた。木原邸では今日も男女が自堕落な遊びにふけっていた。道彦には興味はなかった。葉子は生活費がしづえの肉体の代償だと知り、家を出て自活する決心をした。が、仕事はみつからない。水島はアパートで首を吊って死んだ。安保反対で世情は日一日と騒然となった。卓也はダイナマイトを手に入れた。学連の永井(田中晋二)や馬場(清宮貴夫)に学連デモなんてくだらないといった。節子には子供が出来たという、卓也は彼女と別れた。革命のチャンスだ。ダイナマイトを持って部屋を出た。外には鄭方現の傷害事件がばれて、逮捕に来た刑事が待っていた。パトカーの窓ごしに、デモの大行列がいつまでも、いつまでもつづいた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
三上真一郎
炎加世子
山下洵一郎
高千穂ひづる
- スタッフ -
原作:榛葉英治
監督:篠田正浩
脚色:寺山修司
撮影:小杉正雄
音楽:武満徹

配給:松竹
©1960松竹株式会社

ジャンル:現代劇