映画・アニメの世界

【作品データベース】愛する あいする

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・81分
上村力が自らの脚本を初めて監督した抒情編。上村監督は昭和4年生まれ、東大法学部卒業後28年松竹に入り、木下惠介監督に師事した。撮影は舎川芳次が担当している。

STORY
仁史(田村高廣)はある大工場の研究室に勤務する科学者である。彼をひそかに愛している同僚の圭子(城山順子)さえ、いつも公式通りに動いている電子計算機のような人というくらいの変人だった。そうした仁史の性格は、彼の出生の秘密にあった。出産で母を失い、乳母のはる(桜むつ子)に彼女の子供哲男(三上真一郎)とともに育てられたのだが、母の死が封建制の犠牲になったものであることを知ったのだ。祖父(北竜二)が父(細川俊夫)の意志を無視して、家の後継ぎのためには命をも捨てるのが女の道だと、仁史の生とひきかえに母の命を見放したのである。仁史は自分自身の存在に矛盾を感じて悩みつづけた。ある日曜日、仁史は助手の藤野(山本豊三)に誘われ、彼が愛している洋子(姫ゆり子)と彼女のグループ明美(峯京子)らと箱根にドライブに出かけた。散歩の途中、突然濃霧に襲われてしまう。仁史と明美の二人がとり残された。仁史のたわむれのキスが明美には忘れえぬものとなった。仁史の心血を注いでいた研究に中止命令が出た。憤まんやるかたない彼は、明美をバーに誘った。仁史は生い立ちを明美に打ち明けた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
田村高廣
牧紀子
三上真一郎
杉田弘子
- スタッフ -
監督:上村力
脚本:上村力
撮影:舎川芳次
音楽:池田正義

配給:松竹
Ⓒ1961松竹株式会社

ジャンル:現代劇