悪の華

公開日：1961年1月22日（日）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・82分
井上和男が、自らの脚本を監督したアクション編。ドライなスピード活劇として若い層に受ける。撮影は堂脇博が担当している。津川雅彦と桑野みゆきを前面に押し出し、ポスターコピーは、「断崖に追いつめられた灼熱の恋!」。

STORY
新興財閥の一人娘曽我多鶴子（桑野みゆき）と彼女の婚約者三村（長谷川武）は野球見物の帰途、ちんぴらの夜来香の辰（佐藤慶）、三公（三上真一郎）、紋三郎爺（伴淳三郎）の一味に襲われた。三村は抵抗したため、三公に殺されてしまった。辰たちは、多鶴子を誘拐して身代金を要求することを計画した。裏で犯罪者をかくまっているバーのマダム澄江（市川翠扇）を訪れた辰は、彼女から軽井沢にある源次（三井弘次）の小屋に行くよう勧められた。辰は多鶴子を連れて軽井沢に隠れた。澄江は、愛人の上坂（杉浦直樹）とその弟タカシ（津川雅彦）に辰たちの計画を横取りするようにそそのかした。軽井沢に出かけた上坂兄弟は、犯行現場に残した遺留品から足がつきそうになっている紋三郎爺を殺し、辰たちと手を組んだ。上坂たちは身代金1000万円を手に入れた。金の配分の時、辰と三公はタカシに殺されてしまった。多鶴子を連れた兄弟は、神戸でキャバレー“ブルーヘブン”を経営する上坂の戦友波止場の銀（戸浦六宏）の許へとんだ。指紋を検出した警察は、辰・三公・紋三郎に対して指名手配の令状を出すと同時に辰の情婦メリー松山（芳村真理）に尾行をつけた。メリーは源次の口から彼らが神戸に行ったことを聞かされ後を追った。澄江も、刑事も神戸へと集った。澄江は上坂に東京へ帰り一緒に暮らすように哀願したが、上坂は受けつけなかった。メリーはアパートに上坂を誘い、辰の行方を聞きだそうとした。上坂は、翌朝メリーが刑事に任意出頭を求められたのをみて慌てた。上坂は澄江を殺し、ついで多鶴子も殺そうとした…。