INTRODUCTION
上映時間・90分
船山馨の「野望」を映画化したもので、堀内真直が脚色・監督した。撮影は小原治夫が担当している。「現代に渦巻く黒い欲望の中!交錯する男の友情と争い!」が、ポスターコピー。

STORY
企業新論の記者高須（佐田啓二）は社長四宮信乃（木暮実千代）と関係を結んで、編集長の生駒（三井弘次）を蹴落としその後任となった。畷製薬の不正を種に脅喝した彼は、情報をくれた同社の社員郷子（国景子）とも関係していた。彼はまた伊丹財閥の社長伊丹壮之助（柳永二郎）の後妻麻子（高千穂ひづる）を通じて伊丹に接触しようとしていた。信乃の一人息子哲太郎（河原崎次郎）は、母の生活を嫌って家出し、好きな拳闘で身を立てようとしていた。麻子は哲太郎のファンであった。ある日、高須は彼を尾行している私立探偵布施（田村高廣）を捕え詰問した。布施は信乃に依頼されたのだという。高須は驚いたが直ぐ倍の金を払って布施を二重スパイとした。麻子は布施の大学時代の恋人であった。信乃に依頼されて高須の身辺を洗っているうちに布施は麻子の近況を知った。高須は伊丹の息子荘一（小笠原省吾）が手がけている飛弾ダム建設工事に関する贈収賄の事実を掴み、奥伊豆の土地を無償で手放し汚職を闇にほうむることを条件に、伊丹コンツェルンの有力なポストを要求した。だが、壮之助に一蹴された高須は、後妻麻子を伊東につれだし、壮之助に戦いを挑んだ。検察庁が動き出し壮之助の秘書でありこの事件の鍵を握ると見られた狭山（諸角啓二郎）が召換された。高須は勝利を信じた。しかし、狭山が自殺したため事件はうやむやとなった。高須は麻子を脅しの種にしようと伊東へ飛ぼうとした。その時、事務所に生駒がピストルを持って現れた・・・。

- キャスト -
佐田啓二
木暮実千代
高千穂ひづる
田村高廣
- スタッフ -
原作：船山馨
監督：堀内真直
脚色：堀内真直
撮影：小原治夫
音楽：木下忠司

配給：松竹
Ⓒ1961松竹株式会社

ジャンル：現代劇