映画・アニメの世界

【作品データベース】水溜りみずたまり

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・88分
丹羽文雄の「水溜り」「校庭の虫」の二つの短篇を、『豚と軍艦』の山内久が脚色し、『悪の華(1961)』の井上和男が監督した。撮影は堂脇博が担当している。東京の場末で中小工場のボスの囲い者になって生きる女とその周囲を描き、岡田茉莉子の好演が注目された。

STORY
水溜まりの多い道路をはさんで貧弱な工場が並んでいる東京の場末の工場街。茂子(岡田茉莉子)が事務員をしている須山鉄工場もその一角にあった。茂子の母のツネ(清川虹子)も雑役婦としてそこで働いていた。茂子と工場主須山(西村晃)との間には肉体関係があった。ツネが就職できたのもそのためだった。弟の武(川津祐介)は大学に通っていた。授業料を須山からユスった。女工の村子(倍賞千恵子)は武が好きだった。須山鉄工場で首切りが発表された。職工の田井(三上真一郎)を中心に動きつつあった組合の結成をつぶすのが目的だった。その夜、武はツネが首を切られなかったのは、茂子が寝物語で須山に頼んだからだと、悪態をついた。茂子は家を飛び出した。だが、やはり他人の世話を受けなければ生きていけなかった。取引先の重役山根(南原宏二)の囲い者になった。ツネは解雇された。同じく首を切られた村子は、マッチの光で下半身を見せる商売を始めた。が、酔客に犯され、これを武に知られた。武は水溜りに彼女を突き倒し「バカヤロ」とどなるのだった。ヤケになった武は、銅屑の窃盗に加担することを決意した。が、目的地には与太者たちが待ちうけていた。武は病院に運ばれた。危篤状態を脱して武も小康をえた数日後、ツネと村子は佃煮工場に就職が決まった。村子はツネに「元気を出そうね、母ちゃん」と言った・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
川津祐介
岡田茉莉子
三上真一郎
倍賞千恵子
瞳麗子
- スタッフ -
原作:丹羽文雄
監督:井上和男
脚色:山内久
撮影:堂脇博
音楽:池田正義

配給:松竹
Ⓒ1961松竹株式会社

ジャンル:現代劇