映画・アニメの世界

【作品データベース】かあちゃんしぐのいやだかあちやんしぐのいやだ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・82分
平林良孝のベスト・セラーの映画化でが木下惠介が脚色し、川頭義郎が監督した叙情編。撮影は荒野諒一が担当している。原作は、小学生の作文を通して可憐なヒューマニズムを訴えたものだが、有馬稲子が珍しく汚れ役で力演し、少年役の平山清等とともに評判になった。

STORY
二年生の平井良行(平山清)が通学している福井県武生西小学校が、日本一の健康優良学校に選ばれた。良行の父(下元勉)は計理士で目下病気療養中、母(有馬稲子)が仕立物や店の帳簿つけで一家の生計を支えている。良行は次男で兄の良久(山崎二郎)は二つ年上だ。文化の日に、兄弟は母と街に出た。母は父の生家を教えた。それは立派な門構えの家で、父が病気になってから今の家に移ったのだ。母が懸命になって働く姿をみるたびに、良久も良行も早く大きくなって楽をさせたいと思った。良行は詩や作文を書くのが好きで、折にふれて父母や家のことを書きつづけた。寒い冬になった。良行はクリスマスに古釘を拾って集めた金で母に湯タンポを贈った。雪おろしも兄弟でやった。風邪をひいた兄弟のところに、二人の大好きなおばば(毛利菊枝)がお菓子やお餅を持ってきてくれた。そしてお年玉もくれた。冬が過ぎて春がきた。父の病気は悪くなるばかり、入院することになり二人に模型飛行機を作ってくれた。母と三人でお花見に行った。夏になり、お祭りがやってきた。父の病気ははかばかしくない、母はもしものことがあっても……と二人に言ってきかせた。良行の書いた「母を讃える作文」が福井県知事賞に決まったと、土谷先生(浅茅しのぶ)が知らせにきた。母は涙を流して喜んだ。県庁で表彰式があって間もなく、父が危篤になった。良行は賞品の時計を父の枕元においた。父は死んだ。三年前、父と一緒にきたお寺で葬式をした。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
有馬稲子
山崎二郎
平山清
下元勉
- スタッフ -
原作:平林良孝
監督:川頭義郎
脚色:木下惠介
撮影:荒野諒一
音楽:木下忠司

配給:松竹
Ⓒ1961松竹株式会社

ジャンル:現代劇