映画・アニメの世界

【作品データベース】二階の他人 にかいのたにん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・56分
山田洋次の監督デビュー作。サラリーマンの正己と明子の新婚夫婦は、方々から借金をして念願の2階建ての家を建てた。とりあえずは2階を借家にして借金の返済に当てることにするのだが…。シスター・ピクチャーと呼ばれる低予算中編映画の一編。もとは推理小説だった多岐川恭の同名小説をコメディとして映画化。その新人離れした堅実な演出ぶりは、高く評価された。

STORY
若いサラリーマン葉室夫婦(小坂一也、葵京子)は方々から借金して家を建てた。二階を貸して返済しようという計画だが、今いる小泉夫婦(平尾昌晃、関千恵子)は賄付の下宿代を二ヶ月ためているので、気弱な葉室夫婦の間では時々波風が立った。やっとの思いで催促すると目下失業中という返事に、正巳は止むなく勤めている会社の守衛に小泉を推薦した。暫くたち、葉室家には、豊橋に住んでいる兄鉄平(野々浩介)と喧嘩して出てきた、母のとみ(高橋とよ)が泊まった。小泉夫妻と親しくなったとみは、二階に遊びに行くので正巳には面白くなかった。折角世話した守衛の勤めを怠けていると聞いた時、彼の忍耐心の限度が来た。立退を迫ると小泉達の態度がガラッと変わった。彼らは下宿荒らしの常習犯だったのだ。下宿代を踏み倒して小泉達が引っ越し、とみが帰った時葉室家には平和が訪れた。次の間借人来島夫婦(永井達郎、瞳麗子)は評論家だというが、銭湯が嫌いだから風呂場を作ってくれと10万円渡す程で、正巳達とはケタ違いの豪華さだ。風呂場が出来た日、とみが又飛び出してきた。母の身のふり方について家族会議が開かれたが結論は仲々出ず、とみは鉄平に引き取られた。だが家を建てる時借りた20万円の返済を迫られた正巳は、やむなく来島に借りて返済した。その直後、正巳は週刊誌を見て来島が500万円を拐帯して逃亡した犯人と知った。正巳達は煩悶した。警察に訴えるにしても20万円は返さねばならず知らぬ顔をしているのも口止料を貰ったようで気が咎めた。クリスマスの晩、正巳達を来島夫婦は招待して幸せそうに踊りまわった。正巳達は複雑な気持ちでみつめた。翌日彼らは自首した…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
小坂一也
葵京子
平尾昌晃
瞳麗子
- スタッフ -
原案:多岐川恭
監督:山田洋次
脚色:野村芳太郎
脚色:山田洋次
撮影:森田俊保
音楽:池田正義

配給:松竹
©1961松竹株式会社

ジャンル:現代劇