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【作品データベース】大当り三代記おおあたりさんだいき

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・79分
花登筺のオリジナル・シナリオを、的井邦雄が監督した喜劇篇。撮影は太田喜晴が担当している。関西喜劇人の出演で、松竹独特の雰囲気を出している。謳い文句は、「本家と元祖がぬきつぬかれつの商売腕くらべ! 恋と珍事件の爆笑三代!」

STORY
明治の頃。大阪名代の浪花まんじゅうの一人天満屋中兵衛(渋谷天外)は右七(曾我廼家明蝶)、左七(曾我廼家五郎八)の両番頭にのれんを分けた。本家を名乗る右七に対し、左七は元祖と称して道頓堀に店を出したが、二人はことごとにいがみあった。みかねた中兵衛の仲裁で、先に跡取りを作った方が残ることになった。ところが右七、左七の女房うき(浪花千栄子)、さち(幾野道子)は石女で、右七は女中おわか(ミス・ワカサ)に男児を産ませたが、一瞬早く左七は新地の芸妓、鉄砲(ミヤコ蝶々)に男の子を産ませていた。かくて大正時代。右七は亡くなり成長した跡取り右之助(藤山寛美)は、カフェ・チェリーにまんじゅうを売り歩くほど落ちぶれていた。一方、元祖の二代目左之助(芦屋雁之助)は、チェリーの女給ハルミ(瑳峨三智子)に惚れて通っていたが、大変なお大尽振りであった。二人の因果関係を知ったハルミは、右之助をあわれに思い、「本家を再興しなさい」と左之助からの贈物をことごとく右之助に与えて後援した。その上、左之助にもらった元祖の土地権利証まで右之助にやってしまったから大変である。形勢は逆転した。元祖は物置住まい、本家は隆々となって右之助はハルミと結ばれた。ところが、召集された左之助が戦地で大手柄をたて、勇士として凱旋してきたから“元祖・勇士まんじゅう”は大繁昌。本家は再びハルミがダンスホールに出る始末で再逆転してしまった。ハルミは、お腹に赤ん坊をかかえていたが、客の山成金、山下(南都雄二)に見染められ、本家をおこす金を出すとの約束で、娘うき子(牧紀子)を右之助のもとに残して、九州へ嫁入りをした。時は移って昭和。元祖は左之助、繁子の間に生れた左太郎(三上真一郎)と妹サヨ(桑野みゆき)の代になり、本家もうき子と弟右太郎(大村崑)の三代目の時代に移っていたが、親達は相変らずいがみあっていた。しかし、昭和の子であるサヨと右太郎は、そんな親達に関係なくお互いに好きあっていた。もっとも二人にとって、左太郎、うき子が仲の悪いのが心配の種で、右太郎の友人三郎(芦屋小雁)の入れ知恵で、あれこれ、二人を結ぼうと計画するが、どれもこれも失敗続き、そんな家庭に悲観した右太郎、サヨが、ある日、揃って家出してしまった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
藤山寛美
三上真一郎
桑野みゆき
大村崑
牧紀子
- スタッフ -
監督:的井邦雄
脚本:花登筺
撮影:太田喜晴
音楽:大森盛太郎

配給:松竹
Ⓒ1961松竹株式会社

ジャンル:現代劇