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【作品データベース】からみ合い からみあい

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・108分
ガンで余命3カ月と宣告された会社社長・河原は、かつて関係があった3人の女性の子供たちに遺産の3分の2を渡すべく、秘書課長の藤井、顧問弁護士の吉田、そして秘書のやす子に手分けして捜索を命じる。しかし、藤井も吉田もそれぞれ遺産をわが物にしようと画策していて…。南条範夫の小説を原作に、遺産をめぐる人間の赤裸々な欲望に小林正樹監督が鋭いメスを入れるサスペンス映画。

STORY
東都精密工業社長河原専造(山村聡)は癌を患い切開手術を行った。その結果、後三カ月しか生きられないことを知った専造は、三億に及ぶ私有財産を、以前に関係あった女達の子供に分割することにした。妻里枝(渡辺美佐子)、秘書課長藤井(千秋実)、秘書やす子(岸惠子)、顧問弁護士吉田(宮口精二)と、その部下の古川(仲代達矢)が専造の前に呼び集められた。妻里枝に三分の一、残りの三分の二が行方不明の子供三人に渡されることになった。捜索期限は一カ月、呆然とする人びとにすぐ役割がふり当てられた。藤井には川越にいる七つの子が、弁護士吉田にはある温泉街に流れて行った二十になる女の子、やす子は成宗圭吾(北竜二)という役人に再婚していった男の子を探すのだ。--ある温泉街のヌード・スタジオで古川は、専造の落し子の一人神尾マリ(芳村真理)を見出した。古川はみるからに荒んだ生活のしみこんだマリを、札びらを切って関係を結び、ある契約をマリと結んだ。川越へ行った藤井は、産婆のさよからその子がすでに死んでいることをつきとめある子供を連れて来た。やす子が探し出した定夫(川津祐介)は、養父母にとっては手におえない青年だった。二十歳の青春を怠惰と無為に過す与太青年となっていた。--皆がそれぞれ子供を連れて河原邸に帰って来た。やす子は暴風雨の晩、河原に挑まれて体の関係を持った。それ以来、幾たびか体の関係がもたれた。やす子には、安ホテルで逢う体だけの関係の男があった。その男はやす子に子供ができたと知って身を退いた。やす子はその子供を専造の子供にしたてようと考えた。それには、専造とずっと関係を続けてゆくのだ。やす子は専造に子供ができたことを打明けた。死期の迫っている専造は狂喜した。三分の一は無条件に生れる子供のためとしてくれた。愈々財産相続の日がやって来た。その日--藤井の連れて来たゆき子。このゆき子は里枝と藤井が七年前に生んだ子供であると吉田弁護士が発表した。里枝は財産詐称の罪で三分の一を外された。そして真弓のツラの皮を脱いだのは警察だった。マリの上京直前姉が死んだ。自殺だったが実際は殺されたのだ。姉の名前は真弓。死亡届の名前が偽造されたのだ。財産の相続者は誰もなくなったわけである。やす子の生れ来る子供を除いては。やがて専造は死んだ。財産はやす子の子供へ全部渡されることになった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岸惠子
仲代達矢
川津祐介
芳村真理
渡辺美佐子
- スタッフ -
原作:南条範夫
監督:小林正樹
脚色:稲垣公一
撮影:川又昂
音楽:武満徹

配給:松竹
©1962松竹株式会社

ジャンル:現代劇