川は流れる

公開日：1962年3月3日（土）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・89分
朝日放送から放送された呉羽紡績のホーム・ソングから、柳井隆雄と津久田一正が共同で脚本を執筆、市村泰一が監督したメロドラマ。撮影は小杉正雄が担当している。桑野みゆき、仲宗根美樹の初顔合わせ。哀愁のヒットソングの待望の映画化。

STORY
沖縄で生れた水方亜紀（桑野みゆき）は母と早くに死別し、内地にいるという父を瞼に明るく暮らしていた。亜紀の父三谷弘太郎（大坂志郎）は、戦争中沖縄守備隊の将校で亜紀の母と恋仲であった。弘太郎が内地の部隊に転属になる時、すでに母は亜紀を妊っていたのだ。友人の知子（環三千世）から三谷が父だと知らされた亜紀は、歌手を志し彼を頼って上京した。だが東京での三谷の幸福な家庭をみて自活を決心し、友人咲子（牧紀子）のアパートに落着いた。亜紀はレストランで働き始めたが、そんな彼女のためを思った咲子は、三谷に亜紀が来ていることを知らせた。三谷は亜紀が娘であることをかくして、家へひきとった。三谷の紹介で亜紀は作曲家石津（二本柳寛）のもとにレッスンに通い始めた。そこで彼女は作曲家志望の酉圭介（園井啓介）と知り合った。圭介は、亜紀の母が遺した詩“川は流れる”を作曲して、新人歌手発表会で亜紀をデビューさせようとした。圭介をひそかに愛していた三谷の娘理江（仲宗根美樹）は二人を嫉妬し亜紀に冷たくあたった。そんなことがあって亜紀は無断で三谷の家を出た。だが、優しくしてくれる三谷夫妻にすまなくなった亜紀は三谷の家に帰っていった。三谷と亜紀のことを知った妻（桜むつ子）は、やさしく亜紀を迎えるのだったが、ジャズ喫茶で歌っている義妹の理江は、恋人を奪われた仕返しに亜紀の歌をとってやると言いはった。