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【作品データベース】左ききの狙撃者 東京湾 ひだりききのそげきしゃ とうきょうわん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・82分
麻薬取締官が射殺され、銃弾の角度から犯人は左利きと判定された。捜査一課の澄川刑事は麻薬関係者の立ち回り先を洗い始めるが、容疑者を尾行中、戦場での命の恩人である左利きの狙撃兵、井上と再会する……。俳優の佐田啓二の第1回企画作品。松山善三と多賀祥介のオリジナル脚本を、刑事ものに定評のある野村芳太郎が監督。


STORY
麻薬取締官佐伯(浜村純)は、東亜ビルの前で駐車中射殺された。射った角度から犯人は左利きと判断された。捜査一課は麻薬課の林取締官(三井弘次)の協力を得て、麻薬関係者の立廻り先を洗うことになった。それは一杯飲み屋「湖月」とその女将(高橋とよ)、麻薬卸しの責任者らしき住所不定の武山(佐藤慶)、ガソリン・スタンドの店主増田(富田仲次郎)、一味の連絡場所とみられる麻雀クラブ「竜」とマスター、薬の運び人君子(楠侑子)、その夫で盲目の大野達(穂積隆信)である。捜査一課の澄川刑事(西村晃)は、彼の妹ゆき子(榊ひろみ)の恋人である秋根刑事(石崎二郎)とコンビで捜査に当ることになった。君子が現行犯であげられ、夫の大野も取調べをうけた。その時、大野は妻の君子と武山のことを知って、武山の居所を喋った。武山も逮捕された。だが、黙秘権を使う武山に、荒牧課長(細川俊夫)、鈴木捜査主任(織田政雄)は武山を泳がせることにした。この武山を尾行中、澄川は「竜」で井上(玉川伊佐男)と十年振りで逢った。井上は澄川の親友であった。戦場で澄川の命を救ってくれた、左利きの秀れた狙撃兵であった。捜査陣は澄川の意見を入れて井上をマークすることになった。その翌日、井上の家を訪れた澄川は、井上に頭の少し弱い妻芳子(葵京子)がいること、彼女が妊娠していることを知った。一方、井上もまた、麻薬団のボス小川(加藤嘉)の口から澄川が刑事であり、佐伯殺しを追っていることを知らされ、殺すよう命じられた。数日たち、井上は澄川を荒川の突堤に誘い出したが、井上には澄川を殺せなかった。井上は自首するから一日の猶余をくれと澄川に頼んだ。澄川はうなずいた。一つには井上を逮捕する物的証拠がなかったからである。澄川は帰ると上司に報告した。そんな時、巧みに尾行をまいて行方知れずになっていた、武山の死体が江戸川大橋にあがった。井上は、小川から今までの報酬を受け取り、縁を切ると宣言すると、小川の乾分や尾行する刑事をまき、尾道行の最終列車に乗りこんだ。井上は金を尾道にいる母に届け、芳子の後事を託したかったのである。しかし、その列車には、まいたと思った澄川が張りこんでいた。小川から受け取った金を証拠に、澄川は井上に手錠をかけた。裏切られた井上は抵抗した。二人は手錠につながったまま外に転がり落ちていった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
石崎二郎
榊ひろみ
葵京子
三井弘次
玉川伊佐男
西村晃
- スタッフ -
監督:野村芳太郎
脚本:松山善三
脚本:多賀祥介
撮影:川又昂
音楽:芥川也寸志

配給:松竹
©1962松竹株式会社

ジャンル:現代劇