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【作品データベース】義士始末記ぎししまつき

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・82分
野村南海男のオリジナル・シナリオから大曾根辰夫が監督。昭和32年の『大忠臣蔵』(監督・大曾根辰夫)を『仮名手本忠臣蔵』と改題、これを前編とし、『義士始末記』を後編として公開したもの。撮影は石本秀雄が担当している。ポスターコピーは、「映画史上空前の劇的興奮でつらぬく雄渾華麗の元禄大絵巻!」。

STORY
元禄15年12月、四十七士が本懐をとげると、世はあげて賞讃の声を惜しまなかった。時の幕府は将軍綱吉を中心として、義士の処遇について苦慮した。儒学者荻生徂徠(島田正吾)は、世論が賞讃と同情をもりあげ、助命の処置へ向って沸騰して行くのを承知の上で、敢えて義士に対する処置は「切腹」であるべき事を主張した。それは情においてではなく、法の名においてであった。かつて徂徠がおからを喰って勉学に励んでいた苦学時代、その長屋に隣り合せていた踊りの師匠おかつ(岡田茉莉子)は、徂徠を尊敬するあまり、身の廻りの世話まで見た間柄で、徂徠もまた、おかつの芸に高い評価を惜しまなかった仲であった。しかし徂徠が将軍膝下にあって義士処遇の事を議する現在となっては、その立場が逆転した。つまり、おかつの弟間新六(宗方勝巳)は、徂徠によって死に当面することになるのだ。義士の一人、中村勘助(川津祐介)の恋人であるおしま(岩下志麻)も、おかつ同様徂徠に対して恨みを抱く立場であった。否、当時の人心の大半が徂徠の主張に対して憤りと怨みを抱き、怨嗟の声をあげたのである。しかし、幕府は江戸城内大評定のすえ最後の決定をゆだねた徂徠の主張をいれ義士全員に切腹の断をくだした。討入りからニヵ月後、元禄16年2月4日--。江戸市民あげての惜別の声をよそに大石内蔵助以下四十六名の義士は従容として死におもむき、武士道に殉じた。四十六本の白木の立ならぶ泉岳寺の墓前に勘助の菩提を弔うため丈なす黒髪を切って尼となったおしま、弟新六の最後の手紙で徂徠の処置が武士として最も美しい最後であることを悟ったおかつ、そして徂徠の三人が期せずして立合い、深い思いをこめて香華の煙をたくのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岡田茉莉子
川津祐介
岩下志麻
島田正吾
- スタッフ -
監督:大曾根辰夫
脚本:野村南海男
撮影:石本秀雄
音楽:野澤松之輔

配給:松竹
Ⓒ1962松竹株式会社

ジャンル:時代劇