映画・アニメの世界

【作品データベース】裸体らたい

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・85分
永井荷風原作から瑳峨三智子の体あたり演技により、女体のイメージを多角的、視覚的に扱った異色作として注目された。

STORY
岡村左喜子(瑳峨三智子)は家業の銭湯の手伝いを嫌って、銀座にある税理事務所に勤めていた。所長の佐々木(千秋実)は、小企業主を相手に脱税の方法を教えあくどく儲けている。ある日、左喜子は佐々木に金が紛失したと疑いをかけられた。これは佐々木の常套手段で、同僚の君子(松尾和子)もこの手で彼の毒牙にかけられていた。これがキッカケとなって左喜子は佐々木に囲われる身となった。翌日、左喜子はF市の漁師町にある家に帰った。薄暗い釜場では幼い弟妹立ちが騒ぎ廻り、父親の清助(菅井一郎)は毎日廻収にくるガメツイ経営者の倉田(三井弘次)に泣き言ばかりを並べ、母のもよ(浦辺粂子)は忙しく働いていた。左喜子を真剣に愛している漁師の宗太(川津祐介)は、結婚を申込んでくるが、彼女はうけつけない。左喜子はじめじめと活気のないこの町が大嫌いなのだ。そんなうちに、佐々木は不正監査と税務署汚職がばれて警察にあげられてしまった。左喜子は、以前退屈まぎれに習っていたバレエの教師津田(田中春男)の紹介で、ある料亭の秘密クラブで働くことになり、そこで代議士の兵藤(進藤英太郎)と知り合った。同じクラブで働くマリー・エンジェル(宝みつ子)から、左喜子は女の体の価値というものを知らされ、自分の体に物凄い自信をもつようになった。そして、間借り先の小母さんと銭湯に行き自分の美しさをだれにでも誇示した。「男はみんな女の裸が好きなんだよ。あたいみたいに芸術的な身体をしていると、沢山お金は入ってくるしね」とうそぶく左喜子は、自分から進んで男に近づいて行く女になっていた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
瑳峨三智子
川津祐介
進藤英太郎
山田五十鈴
- スタッフ -
原作:永井荷風
監督:成沢昌茂
脚色:成沢昌茂
撮影:川又昂
音楽:武満徹
音楽:岩佐譲治

配給:松竹
Ⓒ1962松竹株式会社

ジャンル:現代劇