映画・アニメの世界

【作品データベース】歌え若人達 うたえわこうどたち

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・86分
ある大学の寮に住む4人の学友。その中の裕福で要領の良い宮本とは真逆の境遇でマイナス思考の森は、その絶望的な顔を週刊誌の表紙に撮られたことで一躍話題の人となり・・・。木下組の山田太一が、自身の経験を基に記したシリアスな内容の脚本を、木下惠介監督がコメディとして大幅にアレンジして発表した青春映画。4人の若者たちの交流とそれぞれの起伏に富んだ日常が、風刺の利いたタッチで軽やかに描かれていく。森役の松川勉は現役慶應ボーイで、これがデビュー作。学生運動や松竹ヌーヴェル・ヴァーグ真っ盛りのご時世に、こういったオーソドックスな青春喜劇映画を飄々と撮り上げてしまう木下監督の反骨ぶりがうかがえる。正月映画として制作されたこともあって、佐田啓二、岡田茉莉子、田村高廣、牧紀子が特別出演している。

STORY
日本の男子大学生は54万4550人。その中の四人、森康彦(松川勉)、宮本伸一(川津祐介)、岡田一之助(三上真一郎)、平尾弘(山本圭)は、東京で寮生活をしている大学仲間。一文なしで大学に入った森、勉強第一主義の岡田、成績にも女にも自信のある宮本、母親思いの平尾、この四人が同室だ。が、アルバイトに学業という生活を送っている森は、将来に希望を持てないでいた。ある日、バイト中の森の姿が週刊誌の表紙を飾り、テレビの連ドラの主人公に抜擢された。そんな彼の幸運を宮本は人生はまぐれ当りと懐疑的に反発する。彼の空虚な心はやがて恋人の裕子(倍賞千恵子)やガール・フレンドの淑子(冨士真奈美)からも離れさせてしまった。岡田は森の活躍が刺激になり勉学に励むが、そんな彼にいつしか裕子は心惹かれるようになった。一介のサラリーマンを目指す平尾は天下泰平、お袋からのお菓子があればご機嫌だ。がテレビ俳優になった森は、金が入り名前が知れてくるにつけ、仲間から離れて行くようで不安でしょうがない。が、そんな彼を引き止めたのはテレビ女優の厚木紀子(岩下志麻)だ。そして数日、四人にとって最後の大学祭が近づいてきた。その準備中、自動車部の学生と口論して平尾が気絶した。てんやわんやの中に平尾の母親、森のお袋さん、岡田のお婆さん達が大学祭にやって来て相変らずの騒々しさだ。大学祭もたけなわになり、岡田と裕子、平尾と果物屋の娘(珠樹ルミ)、森と紀子らのカップルは楽しそうだ。だが、宮本は一向に興味がない。年も改まり、新人タレント、森の盛大なデビュー発表会の日。会場には岡田、平尾、淑子達のカップルが集まった。が、宮本はひとりぼっち。こうして、ばらばらな四つの青春がそれぞれ未来に向って元気に出発して行った。彼等の未来は明るかった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
松川勉
倍賞千恵子
三上真一郎
津川雅彦
山本圭
山本豊三
川津祐介
渥美清
岩下志麻
冨士真奈美
佐田啓二
岡田茉莉子
- スタッフ -
監督:木下惠介
脚本:山田太一
撮影:楠田浩之
音楽:木下忠司

配給:松竹
©1963松竹株式会社

ジャンル:現代劇