若いやつ

公開日：1963年3月3日（日）

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作品情報

INTRODUCTION
上映時間・91分
北条誠原作、テレビの連続ドラマより高橋二三が脚本を執筆、市村泰一が監督した青春ドラマ。撮影は倉持友一が担当している。橋幸夫・倍賞千恵子の魅惑コンビが奏でる青春讃歌!

STORY
バス会社の一人息子浅倉哲夫（橋幸夫）は、大学卒業前の休みにアルバイトをしようと高原温泉スキー場の営業所へ一従業員としてやって来た。わが子の一人旅とあって、父幸兵衛（河津清三郎）は、酒を唯一の友に営業所で働いている昔の同僚今井（志村喬）に哲夫のことを頼むのだった。ところで今井は町で馬橇をひく好人物の武志（小坂一也）を会社へ入れる約束をしていたが、哲夫の出現で御破算になってしまった。そのため哲夫は武志やその恋人絹代（瞳麗子）、村の人々からうらまれる破目になった。クサる哲夫を励ますのは温泉宿で動く女中権藤寿子（倍賞千恵子）、彼女はスキーシーズンだけ山一つ向うの村から働きに来るのだが、その素朴で暖かい人柄は誰からも愛されていた。温泉宿の息子健吉（山本豊三）は寿子が好きだったが、スキーのコーチを頼まれた都会娘の一ノ瀬雪子（初名美佐子）と親しくなった。雪子が銀行頭取の娘と判って健吉の母きよ（沢村貞子）は融資をあおぎホテル風に改築できると虫のいいソロバンをはじき、寿子をかえりみない状態となった。事情を知った哲夫は義憤を感じたが、寿子は気にする様子もなく、二人は日増しに親しさを加えていった。最近では武志達も何かと相談相手になってやる哲夫にすっかり感服していた。ある吹雪の夜、寿子のもとへ子供が危篤だとの報せがあり、寿子は皆の止めるのもきかず飛び出して行った。翌朝、寿子の遭難が知らされた。だが人々はいま救助隊を出せば犠牲者を増すばかりだとためらい、その不甲斐なさに唯一人哲夫は飛び出していった。寿子は哲夫に救われた。やがて雪の高原にも春が近づき、健吉と雪子は婚約した。だがきよの当ては外れ、二人は小さくても特色のある宿を自分達の力で経営していくと宣言した。哲夫は遭難事件以来寿子と離れ難い気持になっていたが、父の命令でアメリカへ行くことになった。健吉と武志の勧めでいまはお互いの気持を確かめあった哲夫と寿子、明るい笑顔の二人を乗せた武志の馬橇がシャンシャンと鈴の音も高らかに雪原を去って行く。