INTRODUCTION
上映時間・98分
菊田一夫原作の舞台劇を椎名竜治が脚色、酒井欣也が監督した音楽劇。撮影は小原治夫が担当している。吉田輝雄扮する歌手の付き人だった、江利チエミ扮する旅廻り一座の娘が、華々しいデビューを果たし、新人賞を獲得する。その陰には・・・。

STORY
信濃路を行く旅廻りの谷崎八千代一座は不入り続きで三度の食事も事欠く始末、娘のカオル（江利チエミ）はその原因が時代離れした演し物にあることは知っていたが、八千代（清川虹子）は耳を貸そうとしなかった。ストリッパーの花子（瞳麗子）と浪曲師の曇月（大泉滉）、タップの中野兄弟が泣く泣く逃げ出し、あとに残ったのはアコーデオン弾きの久八（藤山寛美）など数人。哀しい思いを歌っていたカオルの歌が余命少ない子供の心を捉え、彼女はその子供の父親海老谷（山村聰）と知り合った。芸能人の世話を道楽にしているという彼との再会を約して次の公演地に向ったカオルはそこで出演中の歌手、藤田博（吉田輝雄）に強引な売込みを計り、認められて上京することになった。念願の東京でカオルと久八は花子・曇月夫婦にめぐり逢いおんぼろアパートに住込んだ。藤田の弟子になったカオルの毎日は、劇場やスタジオに付き人として働いているだけで歌を教えてもらうどころではなかった。ある日突然、舞台の上で藤田の声が止まり、病状が長びくにつれてスターの座も崩れて行った。再起不能の彼を見捨てて弟子たちは去って行き、やがてマスコミからも見離された彼を優しく看護するのはカオル一人になってしまった。カオルの愛情に心うたれた藤田は、レコード会社の浜村専務（河津清三郎）に手紙を託して、自らの姿を隠してしまった。

- キャスト -
江利チエミ
吉田輝雄
藤山寛美
清川虹子
- スタッフ -
原作：菊田一夫
監督：酒井欣也
脚色：椎名竜治
撮影：小原治夫
音楽：神津善行

配給：松竹
Ⓒ1963松竹株式会社

ジャンル：現代劇