映画・アニメの世界

【作品データベース】死闘の伝説 しとうのでんせつ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・83分
昭和20年8月、北海道の寒村に疎開してきた黄枝子に、村長の息子・剛一との縁談が持ち上がる。しかし彼女の兄・秀行は、剛一の戦地における残虐行為を知っていた・・・。太平洋戦争末期の北海道を舞台に、村の定住者と疎開者の間に起きる争いとその悲劇的顛末を描いたバイオレンス映画。木下惠介監督作品としては異例の暴力描写の多い問題作でもあるが、戦争は戦場のみならず戦後にまで凶器をもたらしてしまうことを訴えるには、その方法論で撮るしかないという木下監督の覚悟のほどは、それらのシーンが決して娯楽的カタルシスをもたらさないことからも容易にうかがえよう。冒頭とラストのみカラーで本筋はモノクロという構図も、闇の時代を描いていることを明快に説いている。アイヌ民族楽器ムックリを用いた木下忠司の音楽もサスペンスを盛り上げるのに大いに貢献している。

STORY
太平洋戦争の末期、北海道の寒村に疎開してきた園部家の娘黄枝子(岩下志麻)に、村長の息子剛一(菅原文太)との縁談がおきた。黄枝子は気が進まぬが、一家がよそ者としてこの村で暮すには、断りきれぬと思う。祖母梅乃(毛利菊枝)と母静子(田中絹代)もそんな娘の心を察して返事をためらっている。弟の範雄(松川勉)は若い潔癖感からこの縁談に反対だ。そこへ、長男秀行(加藤剛)が病気のため戦場から帰還した。剛一が大陸の戦線で残虐行為を犯しているのを目撃していた秀行は、早速この縁談を断った。村中の園部家迫害が始まった。ただ猟師の信太郎(加藤嘉)とその娘百合(加賀まりこ)だけは別だった。戦友のいる仙台へ向う秀行は、村境まで送ってくれた百合にほのかな恋情を感じるのだった。ある日、買出し帰りの黄枝子は林の中で剛一におそわれた。黄枝子を迎えにきた百合が剛一にむしゃぶりついた。危機を脱した黄枝子は百合を救おうとし石で剛一をなぐりつけ二人は必死で逃げ出した。剛一の死が村に伝えられ、林巡査(野々村潔)らが黄枝子を引渡せと信太郎の家に向うが、百合が猟銃をかまえて近づけない。黄枝子は警察へ行くというが、信太郎は彼女を百合と共に山奥の白雪小屋に逃がす。ここに至り、村人は暴徒と化し、範雄、梅乃、信太郎らが殺された。折しも帰郷した秀行は、争いをやめさせようと小屋へ急行したが、そのとき百合の胸は兇弾につらぬかれた。必死で訴える黄枝子の言葉で、村人たちはやっと平静にもどった。争いは終ったが、百合を呼びつづける秀行の声が悲しい。日本降伏の二日前の出来ごとであった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岩下志麻
加藤剛
加賀まりこ
松川勉
菅原文太
加藤嘉
毛利菊枝
花沢徳衛
石黒達也
田中絹代
- スタッフ -
監督:木下惠介
脚本:木下惠介
撮影:楠田浩之
音楽:木下忠司

配給:松竹
©1963松竹株式会社

ジャンル:現代劇