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【作品データベース】二十一歳の父にじゅういっさいのちち

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・96分
曽野綾子の原作を中村登が脚色、監督した文芸もの。撮影は成島東一郎が担当している。陰影に富んだ青春映画の好篇と評判になった。

STORY
酒匂基次(山本圭)と越秋穂(勝呂誉)は親友同士。秋穂は明朗な青年で母の正子(中村雅子)のヘソクリを借りては金貸し業をする学生商人。基次は、広告代理店の重役である父(山形勲)をもちながら病床にある母の延子(風見章子)を置いて、かたくるしい上流社会の空気を持つ家庭からとびだし、盲目のマッサージ師の好子(倍賞千恵子)と世帯をもっていた。酒匂家では、家族会議が開かれ、基次は母の延子が生きている間だけという条件で家に帰って来た。酒匂家で静かな歓迎を受ける二人に、小さな魂が宿った。21歳の父が誕生するのだ。一方秋穂は美貌のクラスメート恭子(鰐淵晴子)と結婚を約束していた。その頃、基次の母は息をひきとった。基次は最初の契約通り、酒匂家を出てアパートに移った。やがて酒匂家には初孫が誕生した。その幸福感を味わう暇もなく、基次は、赤ん坊を背負った好子が交通事故に会うという惨事に出くわした。落胆した基次を慰める家族の言葉に、新しい生活に入るとみえた基次が、ある夜突然睡眠薬自殺を計った。父は盲目の嫁が、息子の心にそれ程の重さをもっていたとは信じられなかった。唯一人、それを理解したのは、彼の親友秋穂であった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
倍賞千恵子
勝呂誉
岩崎加根子
鰐淵晴子
山本圭
高橋幸治
- スタッフ -
原作:曽野綾子
監督:中村登
脚本:中村登
撮影:成島東一郎
音楽:武満徹

配給:松竹
Ⓒ1964松竹株式会社

ジャンル:現代劇