映画・アニメの世界

【作品データベース】夜の片鱗 よるのへんりん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・106分
太田経子の原作を、中村登監督が描く美しき色彩と叙情的な世界の異色作に仕立て上げた。娼婦が生まれるとき…そして、自由な女にかえるとき…。19歳の芳江は工場で働きながら、夜はバーに勤めていた。芳江はそこで知り合ったサラリーマンの英次に人生を託して身体を許すが、ヤクザ組織に身を置く彼から売春を強要され…。



STORY
野上芳江(桑野みゆき)は19歳。彼女はレコード会社の下請け工場で働くかたわら、夜は知り合いのマダム佳代(千石規子)から頼まれ、バーのホステスをしていた。北見英次(平幹二朗)は、芳江が働くバーのなじみ客だったが、二度、三度と逢瀬を重ねるうち急速に親しくなっていった。ある夜芳江は誘われるままにホテルにいき、英次に身体を許した。それからの芳江はしだいに、英次との情事におぼれ、両親に無断で英次とアパートで同棲するようになった。しかし、そんなころから英次の態度が変わり、たびたび芳江に金を無心するようになった。世話女房を気どる芳江だが、さすがに金が続かなかった。そんなとき英次は自らの正体を暴露した。英次はそこの盛り場を支配するヤクザだったのだ。英次は金のために芳江に売春を迫った。芳江はヤクザに対する恐怖と、いき場のない孤独からいわれるままに客をとった。が、英次はさらに芳江に街に出て客をとることを強いた。さすがにたえられなくなった芳江は、英次の手をふりきってアパートを逃げだした。しかし数日後、芳江はその組のヤクザにつかまり残酷なリンチを受けた。事件後、芳江は放心したように夜毎街に出て客をとった。そんな客の一人に建築技師藤井(園井啓介)がいた。藤井は熱心に芳江のもとにかよい、ある夜結婚を申しこんだ。そんなおりもおり、英次の組に縄張り争いが起り、英次は争いにまきこまれ、下腹部にひどい打撲を受けて男としての機能を失った。それからというもの、芳江と英次との間には、穏やかな愛情が芽ばえてきた。しかし事情を知らない藤井は芳江に駈け落ちを迫った・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
桑野みゆき
園井啓介
菅原文太
平幹二朗
木村功
岩本多代
- スタッフ -
原作:太田経子
監督:中村登
脚本:権藤利英
撮影:成島東一郎
音楽:日暮雅信

配給:松竹
©1964松竹株式会社

ジャンル:現代劇