映画・アニメの世界

【作品データベース】この空のある限り このそらのあるかぎり

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・88分
寺山修司の原案を桜井秀雄が脚本、監督した。正攻法の母子の再会物語。田中絹代、森光子が母子役で共演している。

STORY
巨大な工場と、煙と音が交錯する街川崎。野上則子(鰐淵晴子)は、そんな街のかたすみに住む、高校生だ。家族は、タクシーの運転手の父竜太郎(千秋実)、工場で働く母千枝子(森光子)、それに女房に死なれた竜太郎の弟亀三(柳沢真一)の子供ひろし(吉沢誠)の四人。母千枝子は、幼い日に別れた母静江(田中絹代)への想いを筆に託して詩集をつくっていた。それを知った則子は、ステレオ欲しさに、母の詩集から一篇を抜き出し新聞に投稿し、賞金三万円を狙った。やがて、その詩は佳作に入選した。が、その喜びも束の間、父竜太郎が進行性肝炎で倒れた。戦争で受けた鉄砲弾が体に入っていたのが原因だった。夫の死とともに千枝子の生活は一変した。チンドンヤ夫婦を二階に同居させ、工場もやめて儲けの多い氷屋に転業した。そんなとき、新聞社を通じて捜していた千枝子の母静江が九州にいることがわかった。千枝子は信じられない嬉しさに茫然としながらも、何度も母のもとへ手紙を出した。しかし、返事はこなかった。数日後静江からの伝言を持った静江の次男松崎弥太郎(高木二朗)が千枝子の許を訪れた。「逢いたくない、そっとしておいて」それが静江の答えだった--静江はかつて、村に演習に来た兵隊と過ちをおかし、千枝子を生んだが、その後生活のために妾となり、料亭を転々として後二人の子供のいる松崎弥兵衛の後妻になったのだ--竜太郎の病は日ましに悪化し、遂にこの世を去った。生活は苦しくなった。千枝子はタクシーの運転手になり、則子はパチンコ店でバイトを始めた。そんなある日、突然千枝子の許に静江が上京してきた・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
鰐淵晴子
田中絹代
中村晃子
森光子
三上真一郎
田村正和
- スタッフ -
原案:寺山修司
監督:桜井秀雄
脚本:桜井秀雄
撮影:西川亨
音楽:木下忠司

配給:松竹
Ⓒ1964松竹株式会社

ジャンル:現代劇