映画・アニメの世界

【作品データベース】悦楽 えつらく

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・91分
人間の官能の世界と性の深淵に大胆に挑んだ、大島渚監督の野心作。かつて愛した匠子のために人殺しまでした脇坂が、彼女の結婚話を聞いてショックを受ける。そんな時、その事件を目撃したという謎の男が脇坂の前に現われるのだが…。山田風太郎の原作を大島渚監督が映像化した。

STORY
三流の広告会社で働く安サラリーマン脇坂篤(中村賀津雄)のところに、ある日篤がかつて家庭教師をしていたころの教え子稲葉匠子(加賀まりこ)から結婚招待状が送られてきた。篤はいつの日からか、匠子を密かに愛し続けてきたのだ、そしてそれ故に、匠子には知らせず、彼女がまだ小字生のころ暴行を働き、未だに匠子を脅迫し続けている青年を汽車のデッキから突落し殺してしまったのだ。そして今、篤が得たものは、この一通の招待状であった。その夜酔って帰った篤は、以前、篤の犯行を目撃したという汚職官吏速水(小沢昭一)が、彼が出所するまでを条件に、篤に無理矢理に預けていった横領金9800万円入りのトランクを開けた。速水が帰ってくる一年半の間に、この棺にも似たトランクにつまった9800万円の悦楽をくみつくそうというのだ。一年半後には自らが、その棺の中に身を横たえればいいのだ。篤は大金をばらまいて次々と女を貪り、替えていった。打算的なバーのホステス、病身の夫を持ちながらアルサロで働く被虐的な女、冷感症のインテリ女医、異常な性欲を持つ街娼。そして金を使い果たし、期日もあと10日ほどに迫ったある日、篤はマリ(清水宏子)のヒモで刑務所で速水と同房だったという江城(小松方正)に、速水が獄死したことを聞いた。二人は速水の残していった金をめぐってもつれ合い、江城は間にわけて入ったマリの拳銃で射殺された。そんな折も折、篤は偶然匠子と再会する・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
中村賀津雄
加賀まりこ
野川由美子
清水宏子
樋口年子
八木昌子
- スタッフ -
原作:山田風太郎
監督:大島渚
脚本:大島渚
撮影:高田昭
音楽:湯浅譲二

配給:松竹
©1965松竹株式会社

ジャンル:現代劇