暖流

公開日：1966年4月29日（金）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・88分
岸田國士の原作を野村芳太郎と山田洋次が共同で脚色。都内でも屈指の私立病院長が急逝、病院経営は事業欲と闘争心に満ちあふれた男に委ねられた。院長の娘は現実的な彼に惹かれつつも、貴族的な生活を捨てきれずに苦悶する……。岩下志麻、倍賞千恵子の熱演が光る野村芳太郎監督の女性ドラマ。

STORY
都内でも屈指の私立病院である志摩病院は、院長の泰英（笠智衆）が療養中のため病院の建直しを、事業欲と闘争力にみちあふれた日疋祐三（平幹二朗）に託した。日疋は志摩家の援助を受けて大学を卒業し、ある建築会社に勤める事業家であった。志摩家には啓子（岩下志麻）という美しく聰明な令嬢がいた。そんなある日、指を怪我した啓子は、外科病室を訪れ院内でも秀才で通る青年医師笹島（細川俊之）の治療を受けた。自信家の笹島も啓子の美しさに魅了された。一方院長代理として主事に就任した日疋の信用は厚く、志摩家の生活は合理化された。そんな生活の変化に啓子は素直に順応した。啓子には日疋の存在は、何か生活をくつがえす強烈なものであった。日疋は、看護婦のいざこざを解決して、一人の看護婦を知った。明るく素朴な石渡ぎん（倍賞千恵子）であった。日疋はぎんに混乱する医局内の実情調査を依頼した。ぎんもスパイの役目を果しながら日疋にいつしかひかれていった。一方啓子も笹島と交際を重ね、父や母の望むまま笹島と婚約した。話を聞いた日疋は激しい衝撃を受けた。そうしたある日、泰英は急逝した。病院は日疋によって経営の一新がすすめられた。その頃ぎんは、日疋への想いをかくすことが出来なかった。一方啓子の耳に、笹島に看護婦堤ひで子（小川真由美）という情人がいることが知らされた。啓子は誇りをふみにじられ、直ちに婚約は破棄された・・・。