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【作品データベース】情炎 じょうえん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・98分
直木賞作家、立原正秋の短編小説『情炎』を原作に、吉田喜重が脚色・監督した、女の愛の世界を描いた異色作。岡田茉莉子を主演に迎えて、完全に冷え切っている織子と隆志夫婦、隆志の妹の悠子、織子が歌会で出会った彫刻家・能登の4人を通して、複雑な人間関係や情欲に溺れる人間の性を描く。

STORY
織子(岡田茉莉子)と隆志(菅野忠彦)の結婚生活は始めから破綻していた。というのも、証券会社社長の隆志が織子の美貌を対外的に利用するため妻に迎えただけだからである。隆志は愛人を持ち、週に一度、鎌倉の自宅に戻ってくるにすぎなかった。夫の妹・悠子(しめぎしがこ)と二人暮らしの織子は、5月のある日、円光寺の歌会で彫刻家・能登(木村功)に会った。能登は今は亡き織子の母・繁子(南美江)の情人だった男である。以前は憎んでいた能登にあっても、織子はなぜか懐かしさを感じただけだった。ある日、悠子の開いたパーティの終わりに、海辺にドライブした織子は、小屋で土工(高橋悦史)と情事を楽しむ悠子の姿を見て、激しい性への衝動を感じた。数日後、再び海辺の小屋を訪ねた織子は、その土工に身を任せた。だが性の満足とは逆に、母と同じ自堕落な女になるのではないかという不安が織子を苦しめた。織子は能登を訪ねた。織子の告白に対して能登は、織子は隆志と別れた方が身のためだと忠告した。その後、度々能登と織子は会ったが、二人は決して肉体関係に入ろうとはしなかった。それは、純粋な愛を芽生えさせ、育てようとする二人の祈りのようなものだった。しかし二人の間に気づいた隆志は、織子に離婚はしないと告げた。二人を苦しめようというのである。その隆志も、織子が身を任せたのは能登ではなく、名も如らない土工だと知ると、誇りを傷つけられ、離婚を承諾した。その頃、能登は自作の巨大な彫刻の下敷になって重傷を負った・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岡田茉莉子
木村功
高橋悦史
菅野忠彦
太地喜和子
南美江
- スタッフ -
原作:立原正秋
監督:吉田喜重
脚本:吉田喜重
撮影:金宇満司
音楽:池野成

配給:松竹
©1967松竹株式会社

ジャンル:現代劇