惚れた強み

公開日：1968年2月14日（水）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・89分
北条秀司の原案を森﨑東と梶浦政男が共同でシナリオ化し、水川淳三が監督したコメディ。撮影は笠川正夫が担当している。

STORY
ものものしい選挙戦の中で、現役の町長与三郎（有島一郎）は妻の玉枝（丹下キヨ子）に内緒でトミ子（佐藤友美）を囲っていた。トミ子は色っぽい、ホルモン焼き屋の女将で、身重の体でありながら、客の応特に忙しい。与三郎はそんなある日、伯父の石丸代議士から選挙戦で弱みになるに違いない妾と手を切れと言われ、自分の経営する店の店員松夫（大辻伺郎）をトミ子の所に行かせた。気の弱い与三郎に出来る仕事ではなかったのだ。与三郎の娘明子（園江梨子）と結婚したい松夫は仕方なくトミ子と交渉するが、選挙の間だけの絶縁契約書に判をとるまでさんざん毒舌を浴びせられた。それから数日後、与三郎の選挙事務所に菰かぶりが届けられた。開けてみると、中身はなんとトミ子の生んだ与三郎の子供だった。驚いた与三郎は玉枝の手前、その子供を松夫の子だと押しつけてしまった。そしてしきりに玉枝に言いわけする与三郎の言葉を、たまたま居合わせた新聞記者の上田（藤田まこと）が勘違いし、町長が不幸な星の下に生まれた赤ん坊を養子にするという美談を花々しくトップ記事にしてしまった。おかげで与三郎はその美談通りに子供を引き取ることになり、人情町長として圧倒的に町民の支持を受けた。対立候補の黒川（北村英三）が真相を叫んでも誰も耳を貸さず、与三郎は見事に勝利を収めた。しかし、トミ子は最初の約束と違って絶縁されたままなのに腹を立て、与三郎に暴行をはたらいた。そのため彼女は玉枝に訴えられて逮捕される破目にまでなった・・・。