映画・アニメの世界

【作品データベース】吹けば飛ぶよな男だが ふけばとぶよなおとこだが

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・89分
山田洋次監督の初期作品。脚本は山田と森﨑東が共同で担当、撮影は高羽哲夫が務めた。やくざの世界、風俗の世界にそれぞれ生きる男と女にまつわる人情劇。なべおさみの熱演、小沢昭一の活弁ナレーションも話題に。キネマ旬報ベストテンの第10位にランクインした。

STORY
サブ(なべおさみ)は偉い大幹部を夢見るちんぴらやくざ。ひと儲けを企んで兄弟分の鉄(芦屋小雁)やガス(佐藤蛾次郎)と共に大阪駅で張込んだ。三人が狙っているのは家出娘で、そこへ現われた花子(緑魔子)は、彼らの誘惑にまんまと乗ってしまった。三人は花子を人里離れた林に連れだした。彼らの企みとは、ブルーフィルムの製作だったのだ。花子は撮影を泣いてこばんだ。そんな彼女を不憫に思った見張り番のサブは、仲間を裏切り花子とともに逃走した。連れ込み宿で夜を共にしたサブは、不幸な花子の境遇を知って親近感をもちはじめた。一夜明けて金がなくなると、サブは次のゼニ儲けにとりかかった。サブは、エロ映画のポスターを見入っている中年男を花子の待つ連れ込み宿に引っ張りこんだ。ところがこの男は因縁を付けて来た二人にビールをふるまうお人好し。サブは先生をやっているこの男とすっかり意気投合してしまった。そんなある日、サブは先生から、花子が妊娠していることを知らされた。だがそれは、サブの子ではなかった。頭にきたサブは大荒れ、チンピラと大喧嘩をやり、一人を刺して拘置所送りになってしまった。拘置所で平静さをとり戻したサブは、面会に来た花子と将来を誓いあった。だがサブの出所を待っていたのは、花子のはかない死だった。花子は自分のために罪を犯したサブを心配し、それがもとで流産し、その衰弱がひどく世を去ったのだ。ひとりぼっちになったサブは、花子の墓前でまともに生きることを誓った。それから数日後船員姿のサブを乗せて南方へ出発する船が港に見られた。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
なべおさみ
緑魔子
犬塚弘
小沢昭一
ミヤコ蝶々
有島一郎
- スタッフ -
監督:山田洋次
脚本:森﨑東
脚本:山田洋次
撮影:高羽哲夫
音楽:山本直純

配給:松竹
©1968松竹株式会社

ジャンル:現代劇