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【作品データベース】吸血鬼ゴケミドロ きゅうけつきごけみどろ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・84分
松竹が前年の『宇宙大怪獣ギララ』に続いて制作した、松竹特撮映画作品の第2弾で、初の本格的特撮怪奇映画。『散歩する霊柩車』『海底大戦争』など怪奇SFに定評のある佐藤肇監督の代表作ともいえる傑作である。ノストラダムスの予言による世紀末思想をいちはやく映画に導入した斬新さと、ゴケミドロが人間に寄生する際の描写など、シンプルな特撮ながらも実に不気味で効果的。松竹京都太秦撮影所制作の「お盆興行」作品であると同時に、侵略テーマ、人類破滅テーマの本格的なSF映画であり、緊迫した人間関係を描く全編を悲観的な雰囲気が覆う。クエンティン・タランティーノを始め、数々のホラー映画やSF映画に影響を与えた。タランティーノは本作の大ファンであることを公言しており、日本のスタジオで撮影された映画『キル・ビル』には、本作で全編にわたって使われた「真っ赤な空」が彼の意向により、オマージュとして採り入れられている。

STORY
羽田を飛び立ったジェット機が、奇怪な現象に遭遇して岩山に不時着した。副操縦士杉坂(吉田輝雄)、スチュワーデスのかずみ(佐藤友美)、次期総理候補真野(北村英三)、精神科医百武、ニール、徳安と法子夫婦、生物学者佐賀、自殺志願の青年松宮が生き残った。そしてもう一人、昏睡状態だった寺岡(高英男)が突然、起き出した。彼は外国大使を暗殺して逃亡中だったのだが、間もなく青白い光体に吸い込まれ、顔面を細菌状の物体に犯されてしまった。そして吸皿鬼に変貌したのである。これは、血液を常食としている宇宙生物ゴケミドロが、食糧源を求めて地球に現われたのだ。寺岡は吸皿鬼に変貌した時は、平常の顔に戻っていた。やがて一行の許に戻ってきた寺岡によって、次々と犠牲者が出た。血を吸いとられた百武が、粘土のように変色した死体となって発見されたのが手始めだった。徳安が次に殺された。つづいて法子もゴケミドロに犯されていった。事態を知った一行の間に、恐怖感が芽生え、発狂した松宮は自ら時限爆弾を仕掛けて吹っ飛んだ。そして、真野はニールと共にその岩山から逃亡した。だが、ゴケミドロは二人を襲い、ニールが死んで真野が戻ってきた。一行は間もなく吸血鬼が寺岡と知り、隙を見て杉坂は吸血鬼にガソリンを浴びせ火をつけたのだ。しかし火炎に包まれた吸血鬼の体内からゴケミドロが這い出したのを、誰も知らなかった・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
吉田輝雄
佐藤友美
高英男
楠侑子
高橋昌也
金子信雄
- スタッフ -
監督:佐藤肇
脚本:高久進
脚本:小林久三
撮影:平瀬静雄
音楽:菊池俊輔

配給:松竹
©1968松竹株式会社

ジャンル:現代劇