スクラップ集団

公開日：1968年11月24日（日）

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作品情報

INTRODUCTION
上映時間・106分
野坂昭如の原作を鈴木尚之が脚色、田坂具隆が監督したコメディ。撮影は小杉正雄が担当している。

STORY
釜ヶ崎に奇妙な4人の男が集まった。元汲取屋のホース（渥美清）は糞尿の匂いを嗅ぐのが趣味で、廃坑に糞尿を捨てたことから警察沙汰となり、釜ヶ崎に逃げてきた。ケース（露口茂）は福祉事務所の元ケースワーカー。保護を受けていた山田夫婦（笠智衆、瀧花久子）が再起するという日に、夫婦に懇願されて顔に火傷の痕のある娘（宮本信子）を抱いたのだが、翌日、一家は心中していた。再起するというのは嘘で、娘に女の喜びを味わせて心中したのだった。呆然としたケースは退職願を書いた。公園の清掃人ドリーム（小沢昭一）はゴミの匂いに夢中になり、職務怠慢でクビになった男。もう一人はドクター（三木のり平）。安楽死の研究に懸命になったばっかりに、医学界からボイコットされ、釜ヶ崎に流れてきたのだった。意気投合したこの4人の男は、人間生活につきまとうすべてのスクラップを商売のネタにすることになった。まず屑屋から始めて金を貯め、広大な土地にスクラップセンターを建てるまでになった。そんなある日、サーカス団の象が死んだのを知った四人は、巨象の死体処理をやり、これが宣伝となって商売は大繁盛となった。ドクターはすっかり事業欲にとりつかれ、廃鉱を買って観光事業にも手を出した。その責任者となったホースは、誰の子とも分らない子供を産んだ春子（奈美悦子）を連れ、九州に向った。数ヵ月後、春子と共に庶民の生活を満喫していたホースは、坑内で起こった落盤で命を落とした。その頃ゴミ収集場で、異様な匂いに酔っていたドリームも、異常繁殖したネズミに食い殺されてしまったのだ。一方、ケースは、権力者から独裁者に変わっていったドクターと対立し、一人で去っていった。あとには、テレビで演説するドクターの「わが社は地球すらスクラップとし、解体処理出来る」という声が、虚しく響いていた。