明日また生きる

公開日：1970年5月27日（水）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・86分
ドキュメンタリー・タッチの力作『非行少年』によって、現代社会の矛盾は全て政治的なレベルの解決を待たねばならないことを鋭く告発した河辺和夫が、取り組んだメロドラマ。脚本は河辺と下飯坂菊馬が共同執筆、撮影は鈴木達夫が担当している。

STORY
カメラ工場に働く刈田まき（栗原小巻）には父親肇（信欣三）と折り合いがよくないが、心の優しい、東京でダンプの運転手をしている兄・勝利（田中邦衛）がいた。或る日、まきに伯母光子（中村美代子）の世話で見合い話が持ちあがる。だが、東京からかけつけた勝利は、見合いをメチャクチャにしてしまう。まきを誰にも渡したくないという気持ちが勝利の心の中にひそんでいた。この一件で、肇と勝利の断絶は決定的なものとなったが、祖母のその（東山千栄子）だけは勝利の気持を理解した。一方、まきには前から好意を寄せていた同じ会社の組合の幹部石山（長谷川哲夫）という恋人がいた。しかし、野心家の石山はまきのことを深く考えてはいなかった。思い余ったまきは、勝利に相談した。勝利は、まきを妹としてでなく女として好きだったが、まきに頼まれ仕方なく石山と逢った。話しているうちに勝利は石山の態度に逆上し大喧嘩をしてしまう。さらに、数年前に交通事故を起こし頭を強く打ったことがあった勝利は、発作を起こしてしまった。翌日、回復した勝利は、まきを誘ってトラックで遠出した。そして無心に眠るまきをみているうちに自制しきれなくなり、妹を抱いてしまった。「勝利に犯された」－－と錯乱したまきは死を選んだ。そして、発作を起こし倒れている勝利を引きずって近くの湖へと運んだ・・・。