映画・アニメの世界

【作品データベース】内海の輪 ないかいのわ

作品情報

INTRODUCTION
フィルム巻数・7巻
この作品の原作は昭和41年から週刊朝日に連載された小説、松本清張『黒の様式』シリーズの中の「霧笛の町」。山田信夫と宮内婦貴子が脚色し、斎藤耕一が監督。松本清張作品の中でも珍しく「女性心理」を露出させたことで注目を浴びたサスペンス。冷え切った夫婦関係に決別を決意した女と、夫の弟で考古学を専攻する男との悲しい愛の物語を描いた作品。

STORY
西田美奈子(岩下志麻)29歳。いまは四国松山の呉服の老舗伊予屋の当主・慶太郎(三國連太郎)の妻である。彼女は3ヵ月に1回上京した。半分は商用であり、半分は大学で考古学を専攻し、まもなく助教授の椅子につく江村宗三(中尾彬)とのひそかな情事のためであった。宗三は妻の父が考古学の権威で次期学長に擬せられるという人物なので、労せずにエリートコースに乗っていた。彼は五年前の鮮烈な記憶が忘れられなかった。そのころ、美奈子は宗三の長兄・寿夫(入川保則)の新妻だった。しかし、寿夫は水商売の女と出来ていて駈け落ち同然に、静岡きっての菓子屋の暖簾を捨てた。二人が同棲している新潟へ迎えに行く美奈子の護衛役に、まだ学生だった宗三が選ばれた。その時、愛情のない夫との訣別を決意していた美奈子は水上温泉で宗三に躰を与えた。彼女は童貞のおののきを示す宗三に、江村家への報復をこめたのかも知れない。それから三年、銀座で再会した二人は自然に求めあうように愛欲を燃え上がらせた。その時から美奈子は3ヵ月に1度上京しすでに男性機能を失っている夫の代わりに宗三に抱かれるようになった。二人だけの秘密はひっそりと保たれたが、美奈子も宗三もやがてくる破綻を恐れていた。だから二人は愛欲の中にすべてを忘れようとした。やがて宗三の出張で、逢瀬は1ヵ月に短縮された。二人はしめし合わせて、一月の瀬戸内海に遊んだ。しかし、二人は伊丹空港で宗三と同窓の新聞記者長谷(夏八木勲)にバッタリ出会ってしまう・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岩下志麻
中尾彬
三國連太郎
入川保則
水上龍子
北城牧子
- スタッフ -
原作:松本清張
監督:斎藤耕一
脚本:山田信夫
脚本:宮内婦貴子
撮影:竹村博
音楽:服部克久

配給:松竹
©1971松竹株式会社

ジャンル:現代劇