旅路～おふくろさんより

公開日：1971年7月10日（土）

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・86分
『波止場女のブルース』『望郷(1971)』に続く森進一の歌謡映画。脚本は助監督の三村晴彦と斎藤耕一による共同執筆。撮影を堂脇博がそれぞれ担当している。

STORY
慎吾（森進一）は、注文のケーキを作りながら幼い日に去った母のことを思っていた。その夜、慎吾のアパートに、兄の尭（田村正和）が愛人の亜希（加賀まりこ）を連れて訪れた。今のヤクザな生活から足を洗い、母を捜すためにブラジルに行こうというのだ。しかし、300万の穴をあけた尭を見逃す程、組織は甘くはなかった。危険を察した二人は、清水での再会を告げ逃亡した。数日後、二人は清水港のはずれにあるさびれたバー「かもめ」に足を踏み入れた。ママの絹枝（月丘夢路）は、海を忘れられない元船長（辰巳柳太郎）の相手をしているところだったが、入ってくるや、苦痛を訴えて倒れた亜希が妊娠していることを知った。一方、遠足帰りの孤児を乗せたバスに便乗した慎吾は、若い保母・洋子（尾崎奈々）の清らかさに魅かれた。清水港に着いた慎吾は、船長の家に厄介になった。しかも、岸の家で、一人娘の洋子に再会することができたのだ。二日後、船長は死に、洋子と絹枝の安らぎを無残に打ち砕いた。絹枝は酔い呆れ、荒れた。尭はなぐさめの言葉もないまま、自分を捨てた憎い母のことを語った。開き入っていた絹枝は驚いた。十数年前、夫の情事を許せず、家を捨てた自分の過去に思い当る節があるからだった。亜希が二階で見つけた一枚の写真がその事実を証明していた。思わぬ邂逅に尭は呆然とした。混乱した頭で港をさすらう尭の脇腹に、冷たい銃口が押しあてられた・・・。