映画・アニメの世界

【作品データベース】辻が花 つじがはな

作品情報

INTRODUCTION
フィルム巻数・6巻
原作は、愛のきびしさを追求して評判の立原正秋の同名小説。鎌倉を舞台に、「幻の花」ともいわれ、室町、桃山、慶長の頃に一世を風靡した染め物“辻が花”をモチーフに、夫に裏切られた女性が、周囲からの目と年下の男性の間で揺れ動く姿を描く。立原文学のヒロインを岩下志麻が熱演。監督は中村登。

STORY
遠野夕子(岩下志麻)は今年33歳。着物がよく似合う美人である。夕子は、米沢の紬織元へ仕入れに行った帰りの列車で、久しぶりに諸田四郎(佐野守)に会った。二人は5年前の事を想った。大学生の四郎に夕子が、もう東京の彼女のマンションへ訪ねて来るのはやめてほしい、と言ったことを。四郎にとってそれは苦しい想い出だった。地方の支局から本社へ戻り鎌倉の家へ帰った四郎と、友人の静子(中村玉緒)が鎌倉で始めた呉服屋を手伝うようになっていた夕子は又時々会えるようになったのだ。四郎の目に輝きが見られた。夕子の夫・治雄(入川保則)は帝都大学文学部の講師だったが、結婚して1年足らずのうちにパリへ留学し休職届けをよこしたまま音沙汰無しで7年もたっていた。そんな夫をじっと待っている夕子に、親戚で子供の頃から夕子のファンだった四郎は同情し腹をたてていた。数日後、四郎の母きみ(室生あやこ)の許へ反物を届けに行った夕子は四郎に会って夫の治雄が帰国したと教えられた。夕子は治雄の泊っているパシフィツクホテルへ駈けつけた。そこで夕子が見たのは白人の女とフランス語を話す子供をつれた治雄の姿だった。「その時、ブツンと、糸が切れる音が聴えたような気がしたの……」と話す夕子に四郎はいたわりと愛を感じた・・・。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
岩下志麻
佐野守
中村玉緒
宝生あやこ
山口崇
岡田英次
- スタッフ -
原作:立原正秋
監督:中村登
脚本:鈴木尚之
撮影:川又昂
音楽:佐藤勝

配給:松竹
©1972松竹株式会社

ジャンル:現代劇