映画・アニメの世界

【作品データベース】同胞 はらから

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・127分
岩手県のとある農村を舞台に、東京の劇団のミュージカルを公演しようとする青年団の活動を描いたストーリー。脚本は朝間義隆、監督は脚本も執筆している山田洋次、撮影を高羽哲夫がそれぞれ担当している。

STORY
岩手県岩手郡松尾村は岩手山の北麓、八幡平の裾野に広がり、四つの部落からなっている、人口7200、戸数1700の村である。斉藤高志(寺尾聰)はこの村の青年団長で、酪農を営んでいる。兄の博志(井川比佐志)が盛岡の工場に通っているので高志が農事のすべてを切りまわしている。村の次、三男のほとんどが都会へ出て行き、残った青年たちも東京・大阪方面へ出稼ぎに行って閑散している三月半ば、松尾村を一人の女性・河野秀子(倍賞千恵子)が訪れた。彼女は東京の統一劇場のオルグとして、この村でミュージカル「ふるさと」公演を青年団主催でやって欲しいと、すすめにきたのだ。秀子の話を聞いた高志は、公演の費用が65万円かかるため、青年団の幹部が揃う春になってから理事会をひらいて検討することを秀子に約束した。5月、桜が咲く遅い春。青年団の理事会がひらかれたが、公演費用に責任を持ちかねるという強硬な反対意見が出された。何度も理事会が行なわれ、意見の交換がくり返された。しかし、高志の「赤字になったら俺が牛を売って弁償する」との一言で、公演主催が決った。夏が来た。目標650枚の切符が、青年団全員の必死の活動で目標をオーバーするまで売り切った。しかし公演3日前、会場に予定されていた中学校の体育館が、有料の催物には貸せない、と校長(大滝秀治)に断わられてしまった・・・。急を聞いて秀子が盛岡から飛んで来たが、校長の答は変らない。秀子は遂に最後の条件を切り出した。「無料ならいいんですね」「勿論です」無謀とも思える秀子の提案。しかし、秀子は、自分達は金儲けのために芝居をしているわけではない、無料で公演するのは苦しいけれど、芝居を楽しみにしている人たちのために中止することはできない、と言って校長室を出た。今回に限り特別に許可する、という校長の許可を聞いたのは、秀子が校門を出てすぐだった。公演は大成功だった。千人を超える人々が集ってくれた。劇団員の歌うお別れの歌を青年達は泣きながら聞いた。八幡平に秋が来た。山肌は紅葉に色どられ、遥か彼方、岩手山の頂上には、もう初雪が白く光っている。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
倍賞千恵子
寺尾聡
下條アトム
井川比佐志
- スタッフ -
原作:山田洋次
監督:山田洋次
脚本:山田洋次
脚本:朝間義隆
撮影:高羽哲夫
音楽:岡田京子

配給:松竹
Ⓒ1975松竹株式会社

ジャンル:現代劇