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【作品データベース】五番町夕霧楼 ごばんちょうゆうぎりろう

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・129分
家族のために廓に身を売った女と、幼友達の青年僧との愛を描く。水上勉の同名の小説と「金閣炎上」を合せて映画化。1963年に監督・田坂具隆監督でも映画化されていて、今作は山根成之監督により再映画化。貧しい家族を救うために与謝半島の実家を出て、京都の五番町夕霧楼で働くことになった夕子は、鳳閣寺で修行をする幼馴染みの正順と再会を果たすが…。

STORY
与謝半島の突端にある樽泊で木樵をしている片桐三左衛門(佐野浅夫)の長女、夕子(松坂慶子)は肺病の母と三人の妹をかかえ、家族のために京都西陣の五番町夕霧楼で働くことになった。一年の歳月が流れ、西陣帯の織元・甚造(長門裕之)との水揚げも済み、夕子は五番町で一、二を争う売れっ妓になっていた。ある日、夕霧楼に夕子の幼友達で、京都で修業を積む青年僧正順(奥田瑛二)がやってきた。その日以来二人の逢瀬は続く。貧乏修業僧の正順にかわって、夕子が費用を払っていた。正順は夕子を訪ねると、歌を唄い、話をして、彼女に指一本触れずに帰っていく。しかし、その逢瀬にも終りがやってきた。夕子を妾にしようとしていた甚造が、正順が修業している鳳閣寺の慈州(佐分利信)に廓通いを告げたのだ。夕子はその頃から体の不調を訴え、肺病を患い入院してしまう。一方、さい銭をもって豪遊する寺の長老たちの姿を見て、立派な僧になることを念じ続けてきた正順は失望していた。そして、慈州とぶつかり、寺を飛び出した。夕霧楼で、夕子の入院を聞いて正順は病院へ急いだ。寺以外に生きる場所のない正順の思いつめた姿に、夕子はただならぬものを感じた。正順は「復讐してやる!」と言うと夕子を抱いた。怒りと悲しみをぶつけるかのように夕子を抱く。正順に応えるかのように夕子もがむしゃらにしがみつく。激しく切なく燃える最初で最後の愛。その晩鳳閣寺が炎上した…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
松坂慶子
奥田瑛二
浜木綿子
風吹ジュン
- スタッフ -
原作:水上勉
監督:山根成之
脚本:中島丈博
撮影:坂本典隆
音楽:岸田智史
音楽:田辺信一

配給:松竹
©1980松竹株式会社

ジャンル:現代劇