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【作品データベース】子どものころ戦争があった こどものころせんそうがあった

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・101分
第二次世界大戦中、アメリカ人を父に持っていることから周囲の人々に迫害され、土蔵に閉じ込められて暮す混血の少女とその家族を描く。日本児童文学者協会と日本子どもを守る会が編集した「語りつぐ戦争体験」の中の“泥血の少女の死”を中心に映画化したもの。監督は松竹労組大船分会委員長で、この作品がデビュー作となる斉藤貞郎。

STORY
日本敗戦の色濃くなりつつあった昭和20年4月。多くの都市が焼かれ、子どもたちは集団疎開がはじめられていた。蓮池一枝(樫山文枝)も夫が召集されたので、一人息子の太郎(斎藤優一)を連れて、福島県磐城郡米川村の実家に帰るところだった。実家は古くからの醸造家だが、今は、軍の命令で味噌をつくっている。一枝の母、野本みよ(三益愛子)が、夫の死後、30年、女手ひとつでこの酒蔵を守り続けている。小学校2年の太郎にとって、大きな門構え、味噌樽、土間など、見るものすべてが珍しい。そんな太郎にみよは、二番蔵にだけは近寄るなと言う。実家には、一枝の他、二枝(梶芽衣子)、政枝(中原ひとみ)の二人の娘がそれぞれ戦争のかげりをもって身を寄せている。ある夜、二枝が警察に呼ばれ、アメリカ人の夫と娘エミ(キャサリン)のことを追及された。憲兵は夫のアーノルドが対日放送で“降伏”を訴えていると言う。みよは自分の反対を押し切ってアメリカ人と結婚した二枝に怒り、世間の非難から守るために孫のエミを蔵に閉じ込めているのだ。太郎は二番蔵が気になってならなかった。ある晩、太郎は母を捜して浴室を開けると、二枝と金髪の少女がいた。「アメリカ人がいる!」と言う太郎に、一枝はあなたのイトコ、と教える。憲兵や警察が執拗に二枝にエミの存在をたしかめに来る。気丈なみよは、その都度つっぱねていた。エミの悲しい顔が忘れられない太郎は、二番蔵のそばの柿の木に登り、窓からエミと話した。その日から、二人の対話がはじまる。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
樫山文枝
斎藤優一
梶芽衣子
キャサリン
- スタッフ -
原作:日本児童文学者協会
原作:日本子どもを守る会
監督:斎藤貞郎
脚本:鈴木尚之
撮影:宇田川満
音楽:佐藤勝

配給:松竹

ジャンル:現代劇