映画・アニメの世界

【作品データベース】螢川 ほたるがわ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・115分 
昭和30年代の富山県を舞台に少年の性の目覚めと人間的成長を描いた傑作。宮本輝の芥川賞を受賞した同名小説を須川栄三と中岡京平が共同で脚本化。監督は『日本人のへそ』の須川栄三、撮影は姫田真佐久がそれぞれ担当している。

STORY
昭和37年、真冬の富山。水島竜夫(坂詰貴之)はクラスのマドンナで幼馴染の辻沢英子(沢田玉恵)への恋の悩みと、高校受験をひかえて悶々とする毎日を送っていた。その頃、竜夫の家には借金取りが押しかけていた。傾いた玄関から男たちを乱暴に押し出す父・水島重竜(三國連太郎)。重竜は終戦後、手広く事業をやり、町の人から仁王竜と呼ばれるほど羽振りをきかせていたが、豪放な性格ゆえ失敗、今はその頃の威勢は既になく借金取りに追われる日々である。妻の千代(十朱幸代)はかつて売れっ子の芸者で、重竜がまだ羽振りのいい頃結ばれ、竜夫を身ごもった。初めて自分の子を待った重竜は何の罪もない女房の春枝(奈良岡朋子)を棄て、千代と結婚したのだった。その一人息子の竜夫ももう14歳だった。幼い頃、竜夫と英子はそんな重竜から聞かされた、4月に大雪の降った年は川の上流で信じられないような蛍の大群が発生し、その光景を一緒に見た男女は結婚しなければならない運命にあるという伝承をよく覚えていた。そんな折、重竜が脳出血で倒れた。父の入院による新たなる借金、看病、そしてつのってくる英子への思い。竜夫は少しずつ大人の世界へ足を踏み入れつつあるのを感じる。4月に大雪が降り、春がやってくる。満開の桜が咲き散る頃、竜夫はふたつの死と遭遇しなければならなかった…。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
三國連太郎
十朱幸代
坂詰貴之
沢田玉恵
- スタッフ -
原作:宮本輝
監督:須川栄三
脚本:中岡京平
撮影:姫田真左久
音楽:篠崎正嗣

配給:松竹
©キネマ東京/日映 1986

ジャンル:現代劇