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【作品データベース】ラスト・フランケンシュタイン らすと・ふらんけんしゅたいん

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・108分 
原因不明の自殺病を解明しようとする教授と超人類を作り出すことに生涯をかける博士を中心とした奇妙な人間関係を描く。監督はこれがデビュー作となる劇団第三エロチカ主宰の川村毅。撮影は『木村家の人びと』の志賀葉一がそれぞれ担当。

STORY
自殺病が大流行している現在、街には狂ったように自殺していく人々が増え、また同時に死を崇める「死のう教」が台頭していた。ある日、三枝教授(柄本明)は、マッド・サイエンティスト阿良博士(原田芳雄)の存在と彼の研究内容を知り、異常な好奇心を覚える。またその一方、高校生の集団自殺というショッキングな事件がきっかけで、超能力を持つ三枝の娘・舞(小田部彩)が原因不明の病にかかり入院。三枝は自殺病の解明と舞の治療のヒントを得るために、阿良博士のもとへ向かう。森の中にそびえる阿良邸には、博士と病的な美しさをもつ妻のくらら(余貴美子)、召使いのハルオ(六平直政)が住んでいた。実験室には男女二体の人造人間・超人類(郷田和彦)とその花嫁(近藤理枝)がひっそりと眠っている。博士の研究とは超人類を作り出すことだったのだ。博士は「舞の超能力を利用して人造人間に生命を吹き込む」と三枝に告げる。そして三枝の抵抗にもかかわらず、博士は舞を病院から連れ出し、三枝の目の前で実験は強行された。ついに人造人間は動きだした。博士は彼らに関係をもたせて、人間の感情を超越し自殺病にかかることのない新しい人類を誕生させようと試しみるが、彼らは互いの体に触れようともしなかった。そこで博士は「愛のレッスン」を始める。しかし超人類たちは互いを愛情=性の対象とはせず、それぞれ他の人間たちに興味を持ち始めるが、それに従って超人類と花嫁にも人間らしい感情が芽生え始めていく。こうして超人類たちとそれを見守る人間たちとの関係は複雑さを増していくが、かろうじて均衛が保たれた奇妙な共同体を形成する。しかしそれも束の間だった。死のう教の教祖・徳田(川村毅)と信者たちは、阿良邸を訪れた直後に全員自殺してしまい、おびただしい数の死体を目にした博士は、再び超人類と花嫁を強引に関係させようとするが、それはもはや不可能になっていたのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
柄本明
原田芳雄
余貴美子
小田部彩
- スタッフ -
監督:川村毅
脚本:川村毅
撮影:志賀葉一

配給:松竹
©1991 バンダイ/ビー・エフ・フィルム/リットーミュージック

ジャンル:現代劇