映画・アニメの世界

【作品データベース】寝盗られ宗介 ねとられそうすけ

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・106分 
愛の昂揚のため女房を他の男と駆け落ちさせるドサ回り一座の座長と劇団員たちの姿を描く、つかこうへい原作の舞台喜劇の映画化。つか自ら脚本を担当、監督は『われに撃つ用意あり』の若松孝二、撮影は『チー公物語 ネズミ小僧のつくりかた世紀末版』の鈴木達夫が担当。

STORY
富士山をのぞむのどかな町。客のざわめきをよそに北村宗介一座の宗介(原田芳雄)は、妻子もちの謙二郎(岡本信人)と駆け落ちした一座の看板スターで女房のレイ子(藤谷美和子)を待っていた。レイ子の父親の留造(山谷初男)や音痴の歌手ジミー(筧利夫)らを前に、自ら駆け落ちを画策した宗介は「帰って来る!」というばかり。やむなく幕をあけるが、イカサマ歌謡ショーに客は騒ぎはじめる。高校生のあゆみ(久我陽子)が代役として間をつないでいるうちにレイ子が帰って来た。そしてレイ子が舞台に立つや客は彼女に見とれ、ため息と涙の大合唱となった。宗介は間男の謙二郎に田舎へ帰って運送屋をやるようトラックを買って送り出す。宗介は間男に寛大でレイ子をやさしく受け入れることで“勝った”と感じ、そのことでレイ子への愛情を昂揚させているのだった。続いてジミーが倒れ病院へかつぎ込まれた。腎臓移植手術しか助かる見込みがないと聞かされた宗介は、一座を離れジミーの弟ユタカに腎臓を提供するよう頼み、その足で青森の実家を訪ね手術費用を工面してもらった。建設会社をやっていて女グセが悪かった父親の大造(玉川良一)は、病院で寝たきりでもう長くない。会社をきりもりする弟の信二(佐野史郎)に、新しく建つ公民館の柿落としを頼まれ、宗介は思わず「ついでに俺の結婚式でもやるか」と口走ってしまったが、照れからレイ子の前で断ってしまう。やるせないレイ子の前に以前駆け落ちをし、今度は国へ帰るというマックが現れた。宗介は小遣いをわたし、2人を温泉旅行に行かせた。ついであゆみが一座を出て東京へ行くと言い出した。ジミーの腎臓の一件もユタカが拒否したため、宗介が提供することになったが、それをきっかけにレイ子が荒れるようになっていった。宗介は結婚を決意して打ち明けるが、うまくいかない。結婚前の最後の公演を終えて、いよいよ青森に向かう時、こともあろうにジミーとレイ子が駆け落ちすることになった。レイ子が戻ってくるのを信じて送り出す宗介だったが、当日になってもレイ子は戻って来ない。会場には病床の大造も駆けつけ、いよいよ幕があがり舞台で宗介が「愛の讃歌」を熱唱するがレイ子は帰らず、ついに宗介はこまどり姉妹役のひとりである亀井さん(柴田理恵)と式をあげることを決意するが、時遅く大造は息を引き取った。その時レイ子が現れ、めでたく2人の結婚と相成り、舞台に一座が揃うと、宗介を結婚させるため死んだふりをしていた大造も生き返り、万々歳のうちに舞台の幕が落ちると、向こうには大きな富士山がそびえたっているのだった。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
原田芳雄
藤谷美和子
久我陽子
筧利夫
- スタッフ -
原作:つかこうへい
監督:若松孝二
脚本:つかこうへい
撮影:鈴木達夫
音楽:宇崎竜童

配給:松竹富士
©1992 SHOCHIKU DAIICHI KOUGYO

ジャンル:現代劇