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【作品データベース】おとうと

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・126分
幸田文の同名小説の再映画化で、山田洋次監督が手がけた。吉永小百合と笑福亭鶴瓶が姉弟に扮し、切っても切れない彼らの深い絆を、姉の娘の視点から描き出す。山田監督は、2010年ベルリン国際映画祭で、特別功労賞“ベルリナーレ・カメラ”を受賞しているが、かつて同賞を受賞した市川昆監督の作品『おとうと』(1960年)に捧げるオマージュ作品でもある。

STORY
東京の私鉄沿線、商店街の一角にある高野薬局。夫を早くに亡くした高野吟子(吉永小百合)は、女手ひとつで一人娘の小春(蒼井優)を育てながら、義母の絹代(加藤治子)と三人で暮らしている。小春とエリート医師との結婚が決まり、一家は幸せの頂点にあった。結婚式の前日、吟子は宛先人不明で戻ってきた招待状を受け取る。大阪で役者をしているはずの弟、鉄郎(笑福亭鶴瓶)だ。酒を飲んで大暴れした吟子の夫の十三回忌を最後に、音信不通になっていた。鉄郎が来ないと分かった絹代は「ああ良かった」と安堵の表情を浮かべるのだった。式の当日、吟子の兄の庄平(小林稔侍)は、「お世話になりました」と母に頭を下げる小春を見ただけで涙ぐむ始末。ところが、和やかに始まった披露宴に暗雲が──。羽織袴の鉄郎が、汗だくになって駆けつけたのだ。庄平に酒を飲むなと強く釘を刺されるが、我慢できたのは最初の数十分だけ。若者に交じって酒を一気飲み、頼まれてもいないスピーチでマイクを独占、ディナーショーさながらに会場を練り歩いて浪曲の披露、あげくはテーブルをひっくり返し......と大暴れ。新郎の両親にさんざん文句を言われた庄平は、鉄郎と縁を切ると宣言する。思えば、吟子はずっと鉄郎をかばってきた。鉄郎が学校でタバコを吸えば謝りに行き、万引きしては警察に引き取りにも行った。「いい年した弟のために謝りに行くの、うんざりよ」そう言いながらも、翌朝、大阪に帰る電車賃をそっと渡し・・・

キャスト・スタッフ

- キャスト -
吉永小百合
笑福亭鶴瓶
蒼井優
加瀬亮
- スタッフ -
監督:山田洋次
脚本:山田洋次
脚本:平松恵美子
撮影:近森眞史
音楽:冨田勲

配給:松竹
©2010 「おとうと」製作委員会

ジャンル:現代劇