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【作品データベース】戦場のメリークリスマスせんじょうのめりーくりすます

作品情報

INTRODUCTION
上映時間・123分
第二次世界大戦下、インドネシアのジャワ山中の日本軍俘虜収容所を舞台に、男たちの交流を描く。サー・ローレンス・ヴァン・デル・ポストが自身のジャワ島での体験を描いた「影の獄にて」の映画化で、脚本は『愛の亡霊』の大島渚とポール・マイヤースバーグの共同執筆、監督も同作の大島渚、撮影は成島東一郎がそれぞれ担当。英語タイトルは、『Merry Christmas,Mr.Lawrence』。ヨーロッパでの公開時タイトルは『Furyo(俘虜の意)』。

STORY
1942年、ジャワ。山岳地帯の谷間レバクセンバタに日本軍の浮虜収容所がある。まだ夜が明けきらない薄闇の中日本軍軍曹ハラ(北野武)は、将校宿舎に起居する英国軍中佐ロレンス(トム・コンティ)を叩き起こし、閲兵場に引き連れて行く。広場にはオランダ兵デ・ヨン(アリステア・ブラウニング)と朝鮮人軍属カネモト(ジョニー大倉)が転がされていた。カネモトはデ・ヨンの独房に忍び込み彼を犯したのだ。ハラは独断で処置することを決め、万一の時の証人として流暢に日本語を操るロレンスを立ち合わせたのだった。そこへ、収容所長ヨノイ大尉(坂本龍一)が現れ、瞬時にして状況を察した彼はハラに後刻の報告を命じて、軍律会議出席のためバビヤダへ向かった。バビヤダ市内の第16軍拘禁所にある法廷では、英国陸軍少佐ジャック・セリアズ(デヴィッド・ボウイ)の軍律会議が開廷された。ヨノイは魔に魅入られたかのように異様な眼差しでセリアズを凝視する。セリアズはレバクセンバタ浮虜収容所へ送られてきた。ヨノイはハラに、セリアズをすぐに医務室へ運ぶよう命令する。そこへ浮虜長ヒックスリ(ジャック・トンプソン)が連れてこられた。ヨノイは彼に、浮虜の内、兵器、銃砲の専門家の名簿をよこせと命ずるがヒックスリは、敵に有利となる情報を提供するわけにいかないと拒否する。ある日、ヨノイの稽古場にハラが現れ、気合の鋭さに浮虜が怯えているため、ロレンスが面会を申し入れていると告げる。そんなロレンスに、ヨノイは唐突に、自分は二・二六事件の3ヵ月前満州に左遷されたため決起に参加できず、死に遅れたのだと語った。そして、その場でカネモトの処刑をいい渡した。処刑場にはヒックスリ以下浮虜側の上級将校も強制的に立ち会わされ、ハラがカネモトの首を切り落とした瞬間、デ・ヨンが舌を噛みきった。「礼を尽くせ」とヨノイは命ずるが浮虜たちは無視する。激昂したヨノイは、収容所の全員に48時間の謹慎と断食の〈行〉を命じる。無線機を持ちこんでいたという理由でロレンスとセリアズは独房入りとなった。壁越しに話をする2人。ロレンスは、たった2度しか会わなかった女性の思い出の中へ。セリアズは、耳許に内向的だった弟の歌声を聞く。衛兵の長靴足音が聞こえ、2人は司令室に連行された。そこには酒で上気し「ろーれんすさん。ふあーぜる・くり~すます」と笑いかけるハラがいた。ハラは2人に収容所に帰ってよいといい渡す。ヨノイの命令で、浮虜全員が閲兵場に整列させられたが、病棟の浮虜たちがいない。病人たちをかばうヒックスリに、激怒したヨノイは再び「兵器の専門家は何人いるか」と問う。「おりません」とヒックスリ。ヨノイは「斬る」と軍刀を抜いた。そのとき、浮虜の群からセリアズが優雅に歩み出、両手でヨノイの腕をつかむと、彼の頬に唇を当てた。後ろに崩れ落ちるヨノイ。ヨノイは更迭され、新任のゴンドウ大尉が着任した。閲兵場の中央に深い穴が堀られ、セリアズが首だけ出して生き埋めにさせられる。

キャスト・スタッフ

- キャスト -
デヴィッド・ボウイ
坂本龍一
北野武
トム・コンティ
- スタッフ -
原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
監督:大島渚
脚本:大島渚
脚本:ポール・マイヤーズバーグ
撮影:成島東一郎
音楽:坂本龍一

配給:松竹・松竹冨士・ヘラルド
©大島渚プロダクション

ジャンル:現代劇