《椿姫》現地メディア評

2019年1月28日 月曜日

ネゼ=セガンが指揮するMETの《椿姫》公演が大喝采を巻き起こしている。意欲的で、新鮮味に溢れ、独創性に満ちていた。ダムラウのヴィオレッタ役は、今まで以上に、今後は新たなあたり役となるだろう。テノールのスター歌手フアン・ディエゴ・フローレスはとても芸術性の高い歌唱を見せつけた。この演出版は私が今まで観てきた《椿姫》の中で頂点に輝くものだ。 —Philadelphia Inquirer

 

 

圧倒的な音楽性。目を見張る舞台。究極の”歌う女優”であるダムラウは、この役で本領を発揮した。ネゼ=セガンは常に歌手に対してきめ細かい配慮をし、音楽で描かれる焦がれる思いや、時折現れる大騒ぎや勢いをも捉えることで、この公演をここまで丁寧にまとめ上げた。聴き慣れたお決まりの演奏には全く聴こえなかった。前途洋々、これからがますます楽しみだ。— Wall Street Journal

 

 

一大センセーション。ダムラウは死の間際であることを表現しながらも、旋律を途切れさせることなく巧みに歌い上げた。これはシェイクスピア俳優クラスの演技力であり、METでは1970年代のジョン・ヴィッカーズとレナータ・スコットの全盛期以来、ほとんど見られなかったくらいの名演である。クイン・ケルシーが、久し振りに登場したヴェルディ歌いのスター・バリトンであることは間違いない。—WQXR 

 

 

テノールのフアン・ディエゴ・フローレスは今回役デビューとなったアルフレードを演じ、前回METに登場して以来の、彼の魅力である精緻なレガートを巧みに操り、柔らかい声質の歌唱で四季を表わすそれぞれの幕をゴージャスに歌い上げ、観客を魅了した。—Observer 

 

まれに見る秀逸な演出…ダムラウの演じたヴィオレッタは別格で、歌唱は声量豊かで包み込むようでありながら、細部まで研ぎ澄まされていた。まさにこれこそMET史における新時代、ヤニック・ネゼ=セガンの時代の幕開けだろう。—New York Times

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